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「あ〜あ。お兄ちゃんが学園に行っちゃうから理緒つまんなーい、一人だと寂しいよぉ!」
「理緒ちゃん……」
しっかり者の妹は急に寂しがると総太に抱きついた。いつもは人前で甘えない妹が、『寂しい』と兄に言うと『行かないで』と訴えた。
総太は抱きつく妹の頭を優しく撫でると『休みの日は会いに行くよ』と言って慰めた。理緒は涙を拭くと『うん!』と頷いて、明るい笑顔になった。
寂しがる妹の気持ちは総太にも分かっていた。家から離れて暮らすのは不安だったけど、彼は両親の前ではそんな素振りを見せなかった。そして、親子はそこで別れた。
総太が妹に『ママとパパをよろしく』と伝えると、妹は『任せてよ!』と言って自分の胸を叩いて胸を張った。父とは母名残惜しそうにその場を後にし、妹と手を繋いで仲良く家に帰った。
色々と疲れた顔をすると、ふと廻りを見渡して気づくと既にみんなは教室に向かった。そこで総太は慌てると、急いで自分の教室を目指した。
教室に戻ると担任の教師が初っ端、持ってるチョークを投げてきた。それをかわすと羽柴が『ナイス!』と言って笑い、クラス全員が笑った。
「間城総太! さっきと今といい、次遅れて来たらグラウンド5周の刑にするからな!」
「はっ、はい! すっ、すみません……!」
「よし。じゃあ、羽柴の隣に座れ。そこがお前の席だ」
そう言って担任の教師が空いてる席を指差した。総太はまたしても羽柴の隣だった。
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