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19 目覚め
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どこだっけ
ここ
「蘭夢!起きた!蘭夢が起きた」
「快?」
体が重い
「そうだよ、10日も目が覚めなくて俺おかしくなりそうだったよ」
10日も...
あぁ死ねると思ったのに生きてるし
「どこか痛い?」
「体が痛いかも」
「だよね、本当に俺のせいで...ごめん」
ごめんってそんなこと言われても許せない
どうせまた殴るさ
お互い可笑しくなるさ
「別に」
「蘭夢、俺あの時...「だから本当にもうどうでもいいって」」
だってあの時の話をされても怒りがこみ上げるだけ
もうそっとしといて欲しい
久々に体を起こすとやっぱり体が言う事を効かない
「ご飯持ってくるね」
そう言われると俺は1人部屋に残された
どうして生きてるんだろ
いつになったら自由になれるのか
『好き』
それだけでこんな所で監禁されて嫉妬と鬱憤バラシで殴られて
どうしてこんな人生俺が歩まないといけないのか
「はい、急に食べると心配だからお粥作ったよ」
心配とかよく分からない
なんであんたに心配されなくちゃいけないの?
そもそもこんな状態にしたのはあんただろ
「1口だけでいいや」
「ゆっくりでいいよ」
そんな優しい言葉も信じられない
いつ拳が飛んでくるのか不安でたまらない
「どうして蘭夢は命を粗末にするの?しっかり生きなきゃダメだよ」
「そうさせたのはあんただろ」
「まぁそうだけど自殺なんて自己判断でしょ?」
「アンタは無感情だね」
「無感情?」
「そう、表面はニコニコしてても中身はスカスカ。感情があるフリをしてるだけ。泣いたのはいつ?本気で笑った事ある?」
「泣いた事?わから...ない、あれ?いつだっけ?」
俺もそうだけど快はこんな家庭環境だからいつ自分が辛いのか、泣くのか、笑うのか、それすらいつの間にか薄れていずれか無感情になる
どれだけ我慢してこんな快になったのか
相手の気持ちも考えない快
「そんなのどうでもいいでしょ」
「そうだね、辛い自分から逃げて楽な自分に行って辛そうだね」
「あまり調子に乗らないでくれないかな?」
「本当の事言っただけ」
怒りが爆発したのか首を絞められる
「ほ...ら、そうやって...ッ...いい加減今の自分認めろよ...あ"ッ...」
「うるさいうるさいうるさいうるさいうるさい黙れ!お前に何が分かるんだよ...」
苦しい、死ねるかな
「失礼致します。快様、母上様からお電話が......快様ッ!!おやめ下さい!!死んでしまいます!!快様!!」
田中さん?の声だ
俺の目に映るのは田中さんが快を俺から引き離そうと必死
しかし、快は怒りに満ちたら止まらない
もうこのままにしといて田中さん
俺死ぬと思うから
すると首から快の手が離れ、肺に酸素が入る
「ゲホッ...ゲホッ...」
快はさっきの快とは違って目に光がないと言ったらいいのか、とても悲しい目つき
そして快は俺を見ること無く部屋から出ていった
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