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53 誘拐6
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あ、快だ
きっとあの地獄から助けてくれたんだね
しかし快は1歩も動かずに俺を睨んでいる
「俺ずっと会いたかった。辛かった..」
快に抱きつこうと手を伸ばすとその手は勢いよく弾かれた
「汚い。触るな」
目の前が真っ暗になった
俺が1番言われなくない言葉
返せる言葉がなく、悔しさと悲しさが混ざり泣いてしまう
俺が悪いんだよね
全部俺が悪い
そもそもこんな汚れた体で快に触れようとした時点で嫌われている
快は黒い方向に「さようなら」とただ言い残し、快と蘭夢が目を合わせる事がなかった
────────
『おはよ蘭夢くん。魘されてたよ』
目を覚ますと男が1人ポツンとベッドへ腰掛けていた
夢から現実に来れた喜びと、夢の中で言われた言葉は酷く頭の中でリピートされる
『みてみて〜蘭夢くんのおかげでこんなに稼げたよ!こんなこと初めてだよ』
ペラペラと札の束を見せてくる
売られてるんだ俺
なんだろ
凄く今更感
「俺いつになったら自由になれるんだよ。もう十分だろ」
『確かにね〜でも俺たち好みでもあるから気晴らし位の役割はあるでしょ』
「他の奴でもいいだろ」
そんな軽い気持ちでこんなにズタズタになった俺の心は一生修復出来ないだろう
快、何してるのかな
もう快の事を忘れようと努力はするが頭に浮かぶのは快のこと
諦めても諦めきれないのは本当に快が好きだからだ
自由は2度と来ないのだろうか
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