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59 誘拐10
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俺が鬱陶しいのも分かるし、邪魔な存在であるのも分かる
生まれてきてしまったから、その子供が生活できるように金を入れてきた父親
中学校に入れば父親は家に帰ってくるが事なく、通帳から自分で入っている金を引き出し、一人ぼっちで生活してきた
なのに今更、俺に関わってくるのかがわからない
昔みたいに放置しておけばいいものを、わざわざ回りくどいやり方で再会するなんて
「なんで...こんな事させるんですかっ?」
「なんでって、あの男から聞かなかったのか?お前が邪魔者だってことを」
「全部聞きました...俺が鬱陶しいのだって邪魔者だって事ぐらい小学校のころから分かっていました」
父親はベッドの横にあった椅子に腰を掛け、足を組みながら会話を進める
相変わらず昔同様、スーツを着こなし、髪型はツーブロであり後ろにオールバックだ
老けた姿なんかどこにもないくらい、テレビでみる俳優に変わりがなかった
「じゃ話が早いじゃないか。お前のせいで以前、嫁がうつだったんだよ。子供が生まれた途端だよ、まったく。赤ん坊の頃のお前と生まれた子供があまりにも似ていて何度も子供に手を出そうとしていた。だから嫁に言ったんだよ“アイツはもういない。死んだ”って。“交通事故にあった”なんても言った記憶があるなぁ」
死んだ...
あまりにもひどい仕打ちを受けている蘭夢は目尻に涙を溜めるだけであって流すことは無かった
「その言葉を言い続けていたら徐々に嫁がよくなっていったんだよ。だから今、お前が生きていて俺達の生活を壊されたら困るんだよ。分かるだろ?」
まさか、俺殺されるの?
邪魔者は処分って事か
「まぁ俺もそこまで酷い男じゃねぇからなー殺しはしないよ。だからこうやって閉じ込めておけば、隠し子とかスクープされることも無いし、生活が安定する。殺さないかわりに、この綺麗な顔で死ぬまで金稼いでもらっていたんだよ」
俺ってこんなに弱かったけ?
いつも1人だったから強いと思っていただけなのか?
殺してくれたって良いのに
むしろ殺せばいいのに
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