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64 誘拐13
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「おい、起きろ」
つい最近会ったばかりの父親が頬を打って蘭夢を起こす
目をあけると、目の前には顔に痣や傷だらけの快が立っていた
「蘭夢...」
快は俺の名前を呼び悲しい顔をする
「ひッ...なんで快がここにいるんですか?あれだけ言ったじゃないですか...」
「寝起きのくせにピーピーうるせぇな」
どうしてか蘭夢には理解が出来なかった
ずっと会いたくて助けを求めていた人が目の前にいるのに今、こんな汚い俺を見ている快はきっと軽蔑しているに違いない
「蘭夢...会いたかった。ごめんね。こんな苦しい思いさせて」
俺は快に抱きしめられている事を理解するのに時間がかかった
「やだっ...やめてよ..汚いから...」
何度も突き放そうと快の胸を強く叩くがびくともせず、ただ抱きしめられる
こんなに安心感があり、こんなに罪悪感がある感情はとても複雑だった
蘭夢も快を力一杯抱きしめようと手を背中に回そうとした時、腕には手錠を掛けられているのに気づき、そっと快の着ていたシャツを掴む
「はい。そこまで〜五十嵐くん、そいつから離れて」
父親にそう快は言われるが無視する
「俺の蘭夢ですから」
「へぇ、じゃ五十嵐くんもそいつと同じ目に合うといいよ」
反発する快はベッドに座っていた蘭夢を無理矢理立たせ立っていられない蘭夢を支えた
「もし、こんな事してる事が警察、テレビに知れたらどうなるんですかねぇ?あ、ていうか、もううちの使用人が警察に連絡済みだと思いますよ」
まるでドラマや映画のように近くに向かってくるパトカーのサイレン音が聞こえてきた
父親は何も言わず急いで部屋から出ていき外では、沢山の不良共が警察に連行されている
全てが終わったと安心した蘭夢は快に体重を掛け倒れた
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