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69 退院
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あの日以来から快を見ていない
今日が退院日だというのに快は病院に顔を出す事なく、田中さんが迎えにきてくれた
「南さん退院おめでとうございます!!」
いつも俺の点滴を担当していたナースが明るく挨拶をしてくれる
「それでは蘭夢様いきましょうか」
衣類が入っているバッグを軽々しく持ち車まで案内してくれる田中さん
後部座席に乗り一息つくと田中さんがバックミラー越しに会話を進めた
「1ヶ月もの長い間、本当にお疲れ様でした。家につきましたら部屋でゆっくりお休みください」
田中さんに怒鳴られた時は正直驚いたけど、田中さんのお陰で気持ちを伝える事ができたんだ
だから本当に感謝している
「あの、快は今日も勉強...?」
「いえ、今日は大学の合否が決まる日なのですよ」
は?聞いてない
勉強かと思いきゃいつの間に試験をうけていたのだろう
携帯のなかにメールする機能だってあるんだから教えてくれてもいいのではと、心の中でモヤモヤする
「結果は?」
「...それは御本人にお聞き下さい。快様、蘭夢様を待っていらっしゃいますよ」
またあの時のように田中さんは微笑む
車で通りすがる景色や建物を見ていると、通っていた高校が目に入った
久々バスケがしたいな...
なんて思っても口には出さず、シートに腰掛け自然と眠りに付いてしまった
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