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90 快-----side
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何回殴られただろうか
久々に殴られるとなかなか痛いものだ
『おーい、にーちゃん生きてるか??』
「俺に触るな」
殴ってきたのはそっちなくせに、悪ふざけた口調で俺に触れてくる
蘭夢以外に触れられたくないのに
『お前さ、全然くたばらねーな。お前いい顔してるし、体貸せよ〜』
気持ち悪い事を言い始めると俺のワイシャツに手をかけた
「ねぇちょっと!!私の前で男とヤルとかキモイからやめてよ!!ねぇってば!」
こいつらこんな女がいるのに何が不満なんだよ
委員長は男の腕に掴まり、私を抱いて と何度も喚いていた
『てめぇはもう御祓箱だ、さっさと消えな』
「なんで...こいつ連れてきたらちゃんと正式に付き合ってくれるって言ってたじゃん!」
『あのさ、こいつと同じ学校で女だったら誰でも良かったんだっつーの。いつまでもうぬぼ惚れてんなよ』
委員長と男は俺をこいつ呼ばわりし、喧嘩を始めてしまったようだ
逃げれる隙を見つけて、立ち上がろうとするとその行動に目をつけた手下が俺を押さえ込んだ
『チッ、あばずれのせいで俺の獲物が逃げちゃうところだったじゃんか』
「もう知らない!!」
委員長は男にカバンをぶつけて、何か独り言を言いながら、あの扉を開けて出ていってしまった
「おい、もう殴ったんだし充分だろ。もう帰っていい?」
『そんな余裕ぶっこいていられるのは今のうちだけだぜ?』
そう言って男たちが持ってきたのはウオッカやラム、ウィスキーなど、どれも度数の強い酒だ
「飲み会ならもっといい所でして欲しいね」
『おい、そいつ抑えとけ』
体が痛む中、抵抗出来ないことをいい事に、その酒を手にとり俺の口元へ運んだ
きっと酔ったところを犯すつもりだろう
「ばーか。誰が飲むか」
顔左右に振り何とかするが顎を持たれてしまい、鼻をつままれてしまった
「やめ...ろ!!触んな!」
口に少しの隙間ができた途端、瓶の飲み口をいれられてしまう
こんなの一気飲みしてるのと一緒じゃないか
急性アルコール中毒になってしまう
『あ〜間違えた〜初っ端から96%の酒飲ませっちまった〜』
食道が熱く苦しく、アルコールの臭いで息がしづらい
『おいおい、まだこれからなんだけど?まだ何瓶あると思ってんの?』
次々と瓶の蓋を開けては、零しながら強引に飲まさせる
考えている余裕が無くなる
「も、むり」
酒が回るのが早いのか、もう起き上がることすらままらない
頭からつま先にかけて体が熱くてだるい
蘭夢は今でも俺の帰りを待っているのか
それとももう寝てしまった?
こんな状態でも考える事は蘭夢の事ばかり
『早くそいつ脱がせろ』
その一言で手下達は必死になって俺のシャツに手をかける
『あぁーお前もとうとうあの淫乱に嫌われるんじゃねぇ?まぁ当然だろうな、こんな所で彼氏さんは浮気でちゅもんねぇ〜軽々しく俺らにケツ掘られる準備満タンだろ?抵抗の一つもしないでさ〜』
淫乱?嫌われる?浮気?調子に乗りすぎじゃないか
蘭夢は俺を嫌ったり捨てたりなんてしない
俺は、蘭夢という人がいながら浮気なんて以ての外だ
『なぁ言えよ。抱いて下さいって、俺はあいつと同じ淫乱なんですってさぁ!』
もう我慢の限界だ
こいつらが死んでも構わない
蘭夢を侮辱する奴ら全員殺す
『黙り込んでどうした?恥ずかしくなっ────』
もう制御出来ない
ペラペラと喋っていた男の髪を掴み顔面に膝蹴りを入れた
次々と手下達は俺に殴りかかって来るが痛みなんて感じない
とにかく手の感覚が無くなるまで殴って、殴って、必死に殴ったんだ
早く殺して蘭夢の所に帰らなきゃ
気づいた時にはもう外へ出て蘭夢のいる家の前だった
怒りに任せて正気を失っていた俺は、大量に酒を飲まされた事をすっかり忘れて、蘭夢に会ってしまったんだ
小さい頃、俺のお父さんは酒を飲むと誰構わず殴るような人だった為、絶対に俺はあぁなりなくないって思い酒は意地でも飲まないと決めていたものの、始め沢山の酒を口にしてしまった
俺は玄関のドアを開けて何度も蘭夢が好きだと言った
すると急ぎ足で蘭夢は姿を現し、ボロボロな俺をリビングまで運んでくれた
リビングに充満するこの匂いはきっと今日の夜ご飯の香りだ
そこから記憶が一切覚えていなかったのだが、蘭夢が俺の中で必死に"快"と何度も叫んでいたのだ
それで目を覚まし、気付いたら蘭夢の肩に包丁を刺していた
こんな壊れた俺でも真っ直ぐ俺を見た
包丁なんて平気で刺す俺を怖がりもせずただ、真剣な眼差しで俺を...
まだ嫌われていなかったという安心と変わらない蘭夢でいてくれた事と壊れた俺を止めてくれた事が嬉しくて、再び心まで痛い思いをさせてしまった事が悔しくて自然と涙を流した
すると蘭夢は
「こっちが俺の知ってる快だ」
と、笑ってくれた
そして俺の頬に手を添えてくれたんだ
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