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91 元通り
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快の泣き顔を見たのは始めてかもしれない
それでも快はポツポツと話始めた
「俺...蘭夢に酷いことしたのに、全然記憶がないんだ...」
「酒を飲んだことも覚えてないの?」
「それは..覚えてるよ...でも──」
「言えないような事なの?」
快の表情は曇った
隠し事をしているに違いない
「正直に話してよ」
「...」
2人の間に沈黙があり、気まづい雰囲気になってしまった
何を隠しているのだろう
俺に関係しているのか?...だとしたらきっと快は正直に言える訳がない
こうなった原因をやっぱり無理に聞くよりそっとしといた方がいいはずだ
まぁ俺もまだ身体中痛いし...お互い落ち着いたらって事にしとこう
「ごめんごめん。無理に聞こうとしてごめんね。快も疲れてるだろうし休もう」
「俺は全然大丈夫だから...」
快の笑顔はちっとも見れない
何だかこっちまで悲しくなってしまう
いつもの快に戻って欲しいが、相当時間が必要なようだ
「なぁ...俺めっちゃ快が好き見たいよ」
「え、?」
女と一緒に歩いていただけでもあんなに、ムカムカして落ち着かなかった
その気持ちは、快に対する嫉妬だ
「俺ね、嫉妬だってするし...快の為に料理も作った」
俺の顔を見るなり、目を見開いたまま驚いている様子だ
確かに俺は素直じゃないし、快になんて気持ちは早々伝えられない
「でも、蘭夢は料理出来ないんじゃぁ...」
「だからだよ。俺さ、快に色々貰ってるから、せめてご馳走だけでもって!田中さんの沢山教えて貰ったんだよ!」
「あれ...蘭夢ってこんなに素直だったけ...」
ボソッと顎に手を添えた快は独り言のように、そう呟いた
せっかく、そんな雰囲気だったから言ったのに...今の一言で目が覚めてしまった
「あっそ...もう知らね」
掛け布団を頭までかけていじけた
完璧にいじけた
だってさ、今のは普通に快が悪いもん
まったく素直なのはどっちなんだか...
「蘭夢ごめんねって!今のは別に悪い意味で言ったんじゃないからね!その...いつもはそんなんじゃないから...めっちゃ可愛かった」
「はぁ?!なんだお前...痛ってぇ」
イライラして勢いよく起き上がったら体が悲鳴を上げてしまった
快は笑いながら俺を見てベッドへ寝かせた
なんだ...時間なんて必要無かったみたいだ
快が笑ってる
それだけで心がポカポカして、こっちまで笑ってしまった
「快...今回の事さ、ちゃんと後で聞かせろよ。じゃないと俺、何にも知らないみたいで悲しいじゃん」
快はクスッと笑って、あぁと一言言って俺のベッドへ入り込んできた
「何だよ...自分の部屋に戻れよ」
俺を抱きしめて右肩に目を向けた
「右腕使えるように俺が責任取るから...今だけでもいいから...このままいさせて」
「何を今更...ずっといろよ」
頬が熱くなるのが分かるくらい、自分でも照れてしまうセリフを口にしてしまった
でもそれは本音だったから
言わなきゃ、快がいなくなってしまいそうで怖いから
俺が快を守れる存在になりたい
そう思い、お互い目を閉じた
──────
更新遅れてすいません。
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