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ずずずっといい音を立てて麺をすすった狐塚さんは、それを飲み込むと仏頂面のまま口を開いた。ちょっと、まだ全部飲み込めてないじゃん汚い汚い。
「女はめんどくせぇ」
「あ~モテすぎて嫌になっちゃったパターンですねぇ」
「記念日だとかプレゼントだとかデートプランだとかうるせぇったらないわ。女と付き合うくらいならサルと付き合った方がマシだ」
「ぶふっ!サルって!サルはないでしょ~」
「あぁ?サルいーじゃねーか。可愛いだろが」
「可愛い~?もしかして狐塚さんってブス線ですか~?」
「今ブスって言ったな!?全国の可愛いサルに謝れ!」
何なんだこの人。この面でサルが可愛いと本気で思っているのか。どこが可愛いんだ。俺にはさっぱり共感出来ない価値観だ。でも面白い。
「じゃぁサルとパンダだったらどっちの方が可愛いと思います~?」
「あぁ?そんなのサルに決まってんだろーが。パンダなんて目の周りが黒いだけのデブだ」
「うわ~その発想はなかった~」
「凪はオラウータンみたいだよな」
「オラウータン!?それ本気で言ってます~?初めて言われたぁ」
「いいじゃねーかオラウータン。俺は好きだ」
俺のどこがオラウータンに似てるっていうんだ。顔だなんて言われたら泣く。確実に泣く。一応こんなんでも外を歩いてたら声かけられたり、視線を向けられる容姿なんだけど。何だ、視線を向けられるのはオラウータンに似てるからなのか。落ち込む。
「おら、麺が伸びるからとっとと食え」
「もちろん食べますよ~。でもオラウータン言われたのがショックでぇ」
「俺が好きなもんにケチつけんじゃねーよ。喜んどけ」
「横暴~!」
やっぱりこの人、俺様だ。
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