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赤面した可憐きわまる凪の顔をたっぷりと堪能した俺は、滅多に動かない口角が思いっきり上がっていることに気づいた。頬に手を当てた時は赤面とは何かが違った。でもキスを掠めてみたら、俺の大好きなサルのように真っ赤になってあのポーカーフェイスを崩した。
たまらなく、可愛いと思う。子供や動物を可愛いと思うことはよくあるが、女を可愛いと思うことはあまりない。むしろうざいしめんどくさい生き物だなという認識だ。
もちろん自分と同じ男に今まで可愛いと思ったこともない。どんなに顔の造形は整っていようと、女顔だろうと、男に可愛いと言っている人間はおかしいとさえ思う。あの車カッコいいは分かるが、あの車可愛いは分からない。それと同じだった。
「今日のおすすめはデミグラスソースハンバーグで~す。デザートはシフォンケーキとかふわふわで美味しいですよ~」
食べたことないくせに息をするように嘘をつく凪。高校2年にしては大人びているけれど、どこか危うげな雰囲気を持つ。初めて凪に会ったときは、求人広告に男子限定と書いていたはずが間違って女をとってしまったのかと焦った。
一見、女に見える凪だがよくよく見れば男だと分かる。しっかり喉仏はあるし、胸はAカップもないまっ平だ。そう、凪はしっかり男だ。その男、しかも高校生のガキに可愛いと思ってしまった。さらにさらに、手を出してしまった。
後悔は全然していない。むしろもっと触れて、あのポーカーフェイスが崩れるところを見たいとさえ思う。苛めて泣かせてやりたいと思う。
何かを背負っているのは、少し話をすれば分かった。それほど、凪は儚く今にも消えてしまいそうな雰囲気がある。身長は男子の平均くらいあるし、存在感はしっかりあるがどうしてもそう思わずにはいられない。
この気持ちがなんなのか、26歳にもなってまともな恋愛をしてこなかった俺には分からない。だが、凪のいろんな表情を見てみたいと思う気持ちは確かに本物だった。
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