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狐塚さん曰く、恋愛の勉強は赤点の俺にいきなり自分からキスしろだなんて、高校の数学が赤点の人間に東大の入試問題で満点とれと言ってるようなものだぞ。無理難題を押し付けてるって分かってますか狐塚さん。
「いつまで待たせんだおい。出来ねーってか?」
「はい、出来ません」
「…ちっ」
うひょ~!この顔で舌打ち怖ぇ~!切実な思いを届けようと、滅多にやらない真顔とはっきりとした口調で返したのに舌打ちされた。おしっこちびりそうだよトイレ行きたい。
「じゃ、今日のところはこれで許してやる」
「へ…っん!」
やった許してくれるの~!と思った俺がバカでした。あの日の出来事が再来しました。もう恋愛の勉強はコリゴリです。てか普通の勉強も嫌いなのに恋愛の勉強まで出来るわけがないじゃないですか。
押し付けられた狐塚さんの熱い唇、縦横無尽に動き回る舌に頭はパンク寸前。おまけに心臓はもうパンクしてると思われる。死にそう。
「ふぁ、んぅ…はっ」
「凪、凪…」
あぁやめてくれ。さっきまで余命宣告をする医者のように重く硬い声だったのに、何でそんな甘ったるい声で俺の名前を呼ぶんだ。声を甘ったるくするくらいなら、その仏頂面をもう少し甘ったるくしてほしい。
電気のように痺れるキスを必死に受け止める。上あごを舌で擦られると、さっきまでちびりそうだった俺の息子が熱くなったような気がした。男の生理現象って本当に悲しいよ。生まれ変わったら女の子になりたい。俺は生まれ変われないだろうけど。
「好きだ、凪…」
………え?今、好きって言わなかった?
「お前のことが好きだ」
また言った。聞き間違えなんかじゃなかった。好きってなんの好き?俺も知ってる、あの、好き?
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