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黒縁眼鏡をかけた、綺麗な顔立ちをしている。髪色は赤っぽくて男の人にしては長めだった。ブランコに座った座高が僕より10cmくらい高い。165cmしかない僕には羨ましい。
「最初…女の子がいるのかと思って、驚いたんだ」
「えっ!?」
「こんな時間に、危ないだろう」
「僕、れっきとした男なので大丈夫ですよ!」
僕自身も気にしていることを言われて軽く落ち込む。やっぱり、初対面の人から見たら僕って女の子に見えるのかな。男らしくなりたいのに。
「あぁ、近くで見たら男だと分かった」
「本当ですか!?よかった~僕、名前も満輝(ミツキ)って言うからよく女の子に間違われるんですよ…」
「そうか。すまなかった」
「全然!きちんと男に見えるって言ってもらったし。えと、お名前を聞いてもいいですか?」
「剛平(コウヘイ)だ」
男らしい名前でいいなぁ。眼鏡も似合ってるし、イケメンで落ち着いてるなんて僕の理想そのものだ。
「剛平さん!僕は高校1年、えと桜岡高校に通ってます。今は夏休みですけどね。剛平さんは?」
「俺は…大学の医学部4年だ」
「医学部!?うわ~すごいなぁ。僕、桜岡に入っちゃったばかりに勉強が全然追いつけなくて…」
「……そうか」
剛平さんは普段、無口なのかな。あまり話が長く続かないというか続かせる気がなさそうというか…2人だから返事は返してくれるけど。それでも僕は何となく居心地がよかった。
「いつもこの公園には来るんですか?」
「平日の夜、たまに来る。星を見たくなった時に」
「へぇ~。僕、夏の大三角形とオリオン座くらいしか分からないからなぁ。でも久しぶりに夜空を見たらこんなに綺麗だったんだなって思いました!」
「そうか」
そう言って、夜空を見上げる剛平さんの横顔を少し見つめた後、僕も闇のさなかに、油を塗ったような満点の星が光る空を見上げた。
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