アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
-9-
-
即答で頷いてくれると思っていた僕は、剛平さんの様子に無理なんだなと気分がジェットコースターのように落ちる。
剛平さんには剛平さんの予定があるもんね。もしかしたら彼女さんとかいて、彼女さんと見る約束をしているのかもしれない。1人で舞い上がってバカみたい。
「あ……ごめんなさいっ、剛平さんの予定も聞かずに…」
「いや、俺の予定は大丈夫だ」
「え!?彼女さんと見るんじゃないんですか?」
「…彼女はいない」
「そうなんだ…な~んだ、ビックリした!」
あれ、何で僕こんなにほっとしているんだろう。剛平さんにあってから自分で自分が分からなくなることばかりだ。
「でも何か予定があるから…」
「予定もない。その日、前々から流星群をここで見る予定だった」
「それじゃぁ…何で」
「流星群のピークが夜中の0時過ぎなんだ。そんな時間にここに来れるのかと…」
「そんなに遅い時間なんですね!でも大丈夫ですよっ。僕、夜は結構遅くまで起きてられるので」
流星群っていうくらいだもんね、夜中が一番活発そうなのは納得。だから安心させようと笑顔で言うと、剛平さんはまだ困った顔でそうじゃないと言いたげに首を横に振った。
「親は、大丈夫なのか」
「…あぁ!心配してくれたんですね」
「今日もどうやって親を言いくるめてここに来たのか、気になってたんだ」
「ふふっ、言いくるめたってひどいなぁ!抜け出して来たんですよ」
「……見つかったらまずいんじゃないか」
「大丈夫です!勉強してるから邪魔しないでって言ってあるし、お母さんはもう寝てたしお父さんもお酒飲んでだらだらしてたから」
「そうか…ならいい」
まさか僕と僕の親のことを心配してくれていたなんて。僕には考え付かなかったことを心配出来るんだから、やっぱり剛平さんは僕よりずっと大人だ。
大学4年ってことは22歳…僕と6歳も上なんだから当たり前かもしれないけど。僕も早く大人のカッコいい落ち着いた男の人になりたいな。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
55 / 138