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しばらく2人の笑い声が静かな夜の公園に響き渡っていた。体中が優しく柔らかに手足のはしばしまで、溶けて行くような幸福感が湯のように流れている。
剛平さんの控えめだけど穏やかな笑顔は、今まで出会った人の誰よりも綺麗だと思った。
「はは…おでこは、大丈夫か」
「全然大丈夫です!剛平さんの笑顔で痛みもぶっ飛びましたっ」
「それはよかった。ふっ…家でも思い出して笑ってしまいそうだ」
「そんなにですか!?でも僕のことを思い出して笑ってくれるなんて嬉しいので、どんどん笑っちゃって下さい!」
「面白いやつだな」
「えへへっ」
僕のいないところで、剛平さんが僕のことを思い出してくれる。そう考えただけで嬉しさで胸がいっぱいになる。
「それで、連絡先だったな」
「あっはい!…教えてくれますか?」
「あぁ。メールでいいか」
「お願いしますっ」
早速、携帯を取り出してメール交換をする。僕の電話帳に『剛平さん』という名前が新しく登録されて、迷わずお気に入りボタンを押した。
「いつでもメールしていいですか?」
「…夜なら返せるが、昼間は勉強に集中したいから携帯の電源は落としてるんだ」
「そうなんですね。それじゃあここで会えない日とか、約束してたけど会えなくなっちゃったりしたらメールしますね」
「分かった」
剛平さんが頷いてくれた後に気付いた。僕、これからもここで会う気満々だ…迷惑になってないかな。剛平さん、優しいから断れないのかも。自分勝手すぎる発言に自己嫌悪に陥りそうになった。
不安なままは嫌だから、剛平さんに迷惑じゃないかと聞けば逆に何がだ?と聞き返されて一安心。僕と同じように、剛平さんもこれからもここで会うのが当たり前のように思ってくれていたら嬉しい。
それからまた星についてお話を少ししてから、今日もおやすみなさいの挨拶をして家に帰った。もちろん、また明日と言うのも忘れずに。
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