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今日は8月13日。ペルセウス座流星群の日だ。
雨の日以外の平日の夜、いつもの公園で夜空を見上げながらお喋りをする日々が続いていた。もっぱら話題は今日のペルセウス座流星群のことだったから、今日が本当に楽しみだった。
天気は良好で、流星群を見るのにもいろいろ好条件が揃っているんだって。いつもより遅めの23時に待ち合わせをして、0時頃から見れる流星群を待っているところ。
「はぁ~本当に楽しみだなぁ」
「初の流星群だもんな」
「はい!流れ星すら見たことないですもん」
「そうか」
「初めての流星群を剛平さんと見れるなんて、僕本っ当に嬉しいです!」
「……大袈裟だ」
「そんなことないですよ~」
うん、本当にそんなことないんだ。だって僕は剛平さんのことが好きだから。って言っても自覚したのは昨日なんだけどね。お兄ちゃんと久しぶりに会って、剛平さんとのことや剛平さんに対しての気持ちを話したらそれは恋だって教えてもらった。
自覚してしまえばどうして気付かなかったのか不思議なくらい、僕は剛平さんのことが好きだと思った。幼稚園の時の初恋とは全然違う。きっと本当の意味での僕の初恋は、剛平さんなんだ。
「…そろそろ、時間だな」
「え!!ドキドキしてきましたっ」
「ふっ…あ、来たぞ」
「っっ!?」
剛平さんが指さした先。流れ星だ!思ったのも束の間、1つだったのが2つ3つとどんどん増えていき、キラキラする見慣れない星たちが、支えきれなくなって窓硝子の表面を滑り落ちる雨粒のように、あちらこちらでスルスルとなだれ零れる。
あまりの美しさと感動で、僕は息をするのを忘れてしまうほどぺルセウス座流星群を見つめた。自然と、鼻の奥がツーンと痛み、目の縁から涙が染み出てくる。流星群がボヤけてしまわないように、目を強く擦って涙を拭った。
ただただ、美しかった。そして、感謝した。こんなに美しいものと出会わせてくれた剛平さんとの出会いに。
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