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シャツの袖をまくり上げたところから、筋骨隆々たる腕が出ている。野菜を切り始めると、トントントントンと規則正しい音と共に、男らしい腕に筋がくっきりと浮かぶ。それをポーっと見ていたら、視線を上げた狐塚さんと目が合った。
「なんだよ、俺に見惚れてたのか?」
「…っ違います~!」
「可愛いやつ。顔、真っ赤だぞ」
「うるさい!」
「ふはっ…出来上がるまで、いい子で待ってろよ。そしたらキスでも何でもしてやるから」
ニヤリ、と効果音が聞こえてきそうなほど意地の悪い笑みを浮かべ、狐塚さんは視線を手元に戻した。たったそれだけのことで鼓動が早くなるのを、テレビに集中することで誤魔化した。
狐塚さんと付き合うようになってもう少しで2か月。って言っても、会えるのは週末だけだから日数で言えば1か月にも満たないけれど。狐塚さんの表情や行動、言葉に一喜一憂してしまう自分に違和感もなくなり始めていた。
「そういえば、家からでも花火見えるぞ」
「えっそうなんですか~?」
「寝室の窓から見える。去年も見えてたし間違いない」
「そうなんだ~」
「人ごみが嫌なお前でもここで見るならいいだろ。っていうか、嬉しいだろ」
「うっ…嬉しくない、こともないですけど~」
「素直になれよお坊ちゃま。一緒に見ようぜ。……我慢出来たらの話だけどな」
その“我慢”が何を意味するのか、考えなくても分かってしまった自分が恐ろしい。寝室から見えるってことは、もちろんベッドがあるわけで。
まだ本番まではしていないけれど、毎週土曜日の夜は俺の後孔をほぐしたり、抜きっこしている。早く入れてほしいという俺のお願いを、狐塚さんは傷つけたくないからと言って、俺が慣れるまで待っている。
今日こそは、と意気込んで毎週バイトに向かうのもそろそろ飽きた。だから本当に今日こそは、最後までしたい。花火を一緒に見た後に繋がれたら……夢が一気に2つも叶えられるんだ。
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