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B×D-16-
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夏休みも残りあと1週間と迫った今日は生憎の曇り空で星は見えないかもしれないけど、いつもと同じ時間に僕は公園へと足を運んだ。
特にメールもないからきっと剛平さんも来るだろうと、もう座り慣れたブランコをゆらゆらと揺らして待っていたら、夜の闇に一筋の光が灯る様に、待ち望んだ姿が現れた。
「こんばんはっ」
「こんばんは。今日は星…見えないな」
「そうですね…でもお話しましょう!剛平さんとのこの時間が僕は1日の中で、一番好きなんです」
「…そうか」
告白をしたペルセウス座流星群の日から、こうして僕の気持ちをストレートに伝えている。でも剛平さんの反応はいつもと変わらず無表情で、口数も少ない。
相手が剛平さんじゃなかったら絶対に息が詰まるような空気になるはずなのに、剛平さんだと逆に空気が美味しく感じるんだから恋の力は恐ろしい。
「もう少しで夏休み終わっちゃうんですよー…」
「夏休みの課題は終わったのか」
「うっ…」
「まだなんだな」
「だって量が多くてめんどくさいんですもん」
「気持ちは分かるが、あともう少しなんだから…頑張れ」
「…はいっ」
お父さんやお母さんに頑張れと言われたところで全く頑張る気にもなれないのに、剛平さんから一言同じ言葉を言われたら途端やる気が出る。今すぐ課題と向き合いたいところだけど、今は剛平さんとの時間が優先だ。
「あの…剛平さん」
「どうした」
「夏休みが明けたらすぐ試験があるんです。それで、その…僕、勉強嫌いだけど剛平さんと出会ってから、剛平さんも医学部の勉強頑張ってるんだと思ったら僕も頑張れて」
「本当に大袈裟なやつだな」
「大袈裟なんかじゃなくて本当なんです!だから…えと、今度の試験でもし僕が合計400点以上取れたら…ご褒美くれませんか!?」
「ご褒美?」
聞くからに剛平さんの声が困惑している。それもそうだろう、僕がただご褒美を欲しいだけで剛平さんには何のメリットもない。それでも今の関係だけではもう満足できないところまで、僕の恋心は膨らんでいた。
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