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18歳以上ですか?
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さっきまでは泣きそうになって顔を俯かせたのに、次は恥ずかしさを隠すために顔を俯かせる。耳の端で万雷の拍手を聴いたように、嬉しさと恥ずかしさで面食らった。
「…心の中では、言っていた」
「嘘っ!」
「嘘じゃない。満輝」
「っ!あ、あの…えと…」
「ははっ、そんなに恥ずかしがらなくてもいいだろう」
「無理です!!」
3日に1回くらいしか見れない笑顔と同時に名前を呼ばれたら、強烈で本能的な喜びに全身が支配されてしまう。ニヤける顔を押し隠すことが出来ない。
なんてずるい人なんだろう。一度崖からどん底に突き落とされたと思ったら、ものの数秒で天まで引っ張り上げるなんて。これを天然でやってるんだとしたら、相当恐ろしい人を好きになってしまった。
「1日デートは出来ないが…18時以降からなら出かけることは出来る」
「ほ、本当ですか!?」
「あぁ」
やっぱり優しい人だ。ずるいくらいに、優しい人。剛平さんとデートが出来るなら日が沈んでからでも構わない。
「僕、勉強めちゃくちゃに頑張って、絶対400点以上取ってみせますね!」
「……満輝なら出来る。頑張れ」
「はいっ!剛平さん大好きです!」
「知ってる」
まだ約束にもなれていない約束事。自分が頑張らなければ手に出来ないご褒美。僕のこれまでの試験の合計平均点は300点ちょっとくらいだ。今からでも死ぬ気で勉強しないといけない。
目標達成出来るかはまだ何もしていない今の時点では怪しいのに、もうデートする気満々の僕。だって仕方がない。剛平さんと肩を並べてお出かけする妄想を何度もして、夢にだって見たんだから。
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