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あまりの喜びに足をばたつかせて、叫びたい衝動を抑える。そんな僕をさっきまでの無表情が嘘のように、面白そうに見ている剛平さん。
はぁ、やっぱりこの人の笑顔はすごい破壊力。剛平さんが無表情な人で良かった。だっていつもニコニコしてたらみんな剛平さんを好きになっちゃうよ。もちろん僕は、剛平さんの顔じゃなくて性格から好きになったんだけどね。
「デートするなら、どこに行きたい?」
「えぇ!?えと…あ、プラネタリウム!」
「いいな、それ」
「やっぱり僕たちは星がないとですよねっ。もし時間があればご飯も一緒に食べたいです!ファミレスでも何でもいいので」
「…分かった。まずは試験のために、勉強のことだけ考えたらいい」
そう言われると、剛平さんも僕とデートをしたいから僕に勉強を頑張れと言っているように聞こえる。都合のいい僕の耳だ。
それからしばらく、プラネタリウムに意外にも剛平さんもまだ行ったことがないこと、僕の今までの平均点はこのくらい、剛平さんおススメの勉強法などを止まることなく話をしていたらあっという間に日付が変わりそうな時間になっていた。
本当は剛平さんと会っている時間も勉強に費やした方がいいのかもしれないけど、僕の大好きなこの時間を取り上げられたら頑張れるものも頑張れないから。もちろん、また明日と言い合って別れた。
夜空には雲がかかって星が見えないけれど、僕の心の中は満点の星空だ。ペルセウス座流星群もビックリの流れ星祭りだ。
今日は僕の恋にとって重大な一歩が踏み出せたんじゃないだろうか。早速明日からバイトは誰かに代わってもらって、午前中から勉強しよう。恋は勉強をも捗らせてくれる。
今までで一番、公園から家までの道のりが短く感じた。一歩ごとに飛び跳ねるような軽い足取りだったからかもしれない。気持ちのいい、夜だった。
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