アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
1
-
「鈴音ー、早く帰ろう?」
後ろに居る兄に向かって声をかけつつ、振り返る。
「あーーごめん、琉雅。
俺彼女できたから今日から一緒に帰れない。」
「...えっ」
何が起きたのか分からず、目の前の男を呆然と見つめる。
先ほどまで居なかったのに、隣にはその『彼女』と思わしき女が腕を絡ませて立っていた。
「また家でな。」
じゃあ、と言って女と歩き出すその背中に、
なにか言わないと......。
そう分かっていても、なんで、どうして、と思考がぐちゃぐちゃに絡み合って、
何も言えなかった。
そのまま、しばらく動くことができなかった。
鈴音が隣に居ないのは初めてで、寒かった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
1 / 20