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「ねぇ君!私達のサークル入らない?」
あれから荷物も片付き、今は大学で一人歩いているところだった
すると、見知らぬ女の人が声を掛けてきたと言う状況だ
サークルに勧誘してくるって事は俺よりも歳上で間違いないだろう
「考えておきます」
「えー!それって絶対来ないよねぇ?」
無理に伸ばされる語尾や、必要以上のスキンシップが嫌悪感を抱かせる
そして、甘ったるい香水の匂いが鼻をかすめて眉間にシワが寄る
「すみません。色々見て決めたいんですけど」
「じゃあ見学だけでもいいから来てよー!」
手を握られて口角がピクピクと引きつった
もう本当にこういう女の人は苦手だ
いっそのこと皆んなが皆んなスキンシップをされて嬉しいと思うなよ、と言ってしまいたい
「ねー!お願い〜」
「いや、…あの…、…………っ!」
ふわ、と甘く優しい花の香りがした
「ねぇ、少し困ってるみたいだよ?彼」
心地良いアルトの声
柔らかくて、けれど凛としていて
どこか切なく聞こえる声色
「あはは、驚いた顔してる」
黒い髪、白い肌、赤い唇
そしてスッと横に伸びる切れ長の目は少し垂れていて、笑うと三日月型を作った
「そんなに見つめられると恥ずかしい」
超絶美人の超絶美形
いつかイケメンと言うよりも美人という言葉が似合う変わった男がいると聞いたことを昨日のことのように思い出した
そして
名前を聞かなくても彼が誰か分かってしまった
「善君!いつ来てたのー?」
「今来たところ。あ、ねぇ、由香里そろそろ授業始まるよ?」
やんわりと由香里という女の人の手を俺の体から離して俺とその女の人の間に立つ
その背中は折れてしまいそうなほど華奢だった
「えー!じゃあ後で善君話そうね!」
「あはは、本当に元気だなぁ」
その先輩はすんなりと校舎の方へ向かっていった
そして、彼は先輩の問いかけに答えることも、その後ろ姿を見送る事なく俺に向き直った
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