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「え……」
驚きの事実に思わず声を漏らしてしまう
すると千紘さんはケタケタと楽しそうに笑って、俺の方を見た
「小さい頃からずっと一緒だったんだ。
俺も善も依存してるんだよね」
「…それってどういう意味ですか?」
善さんが誰かに固執したりすることが想像出来ない
優しいけれど、残酷なくらい冷たさを感じさせる雰囲気は俺がそう思うのも頷ける
「うーん、なんていうか俺は善が心配で離れられなくて、善は俺から離れたらきっと駄目になる。
…あいつ、一人にさせちゃ駄目なんだよ」
一人にさせては駄目
それがなんだか妙にしっくりきてしまう
一人が好きそうに見えるけれど、一人にさせては駄目。
「なんとなく、分かります」
俺が静かにそう言うと千紘さんは僅かに目を丸くしてから穏やかに笑う
それはさっきの笑顔とは打って変わり、とても大人びて見える
「なんか、善が爽太君に引っ付いてる理由が分かるよ」
そうであれば良かった
今は引っ付いているとはとても言い難い状況だ
むしろ離されていると言う方が正しい
「はは…っ、善さんは俺に引っ付いてなんかないですよ。むしろその逆です」
そう言うとさっき僅かに開いた目を更に丸くさせ、あり得ないと言うように首を振る
その仕草に俺も何が何だか分からなくなり、困惑してしまう
「善がさ、前に仲のいい後輩ができたって話をしてたんだけど、俺は、後輩って言っても横の関係は大事なんだから独り占めすんなよって軽いノリで言ったら、もうひっつき虫になってるから手遅れだよって…」
さっきっから千紘さんの話を聞いていると拒絶された理由がもっともっと分からなくなる
「…善、爽太に何言った?」
そう言われて真っ先に思い浮かんだのはあの言葉だった
言って良いのか迷ったけれど、この人は善さんと強い信頼関係を持っている人だから
それに、この強い視線にそう尋ねられてしまえば答えないという選択肢は直ぐに消え去った
「…いつか無くなるものは要らないって」
そう言うと、千紘は善さんとよく似た悲しそうな微笑みを浮かべた
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