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善さんが泣き止んだので、ベットに横たえると薄い胸を上下させるように呼吸を荒くしていた
苦しそうに寄った眉間のシワをどうにか解いてあげることは出来ないのだろうか
「冷えピタ新しいのに替えますね」
「待って」
あまりにも苦しそうなので買ってきた袋からそれを出そうと思い、立ち上がると弱々しい手で引き止められる
不思議に思って善さんを見れば薄く目を開けていて、不覚にもどきりと心臓が音を立てる
「大丈夫だから、此処にいて」
乱れた息で、紅潮させた頬で言われても説得力に欠ける
けれどその目が切なげに揺れていてつい頷いてしまう
「…喉は、乾いてませんか?乾いてたら…」
「あはは、心配性だなぁ。大丈夫だよ」
無理して笑わないでください、と言いかけた言葉は喉元で詰まって飲み込んだ
代わりに出たのは
「…俺に何かできることはありますか?」
すると、善さんは満足そうに微笑んで細い手を開いた
手の内側に通る血管は青白く浮き出ていて、現実味に欠ける
まるで絵画のようだ
「手、繋ぎたいなって」
大人びた顔で、恥ずかしそうに笑う姿はとても可愛いらしい
その要求にもちろん答えるべく手を取って、片方の手で頬をするりと撫でる
「…なんか爽太君の触り方ってエロいね」
無自覚もいいところ、頭はいいくせに考えなしの発言にこめかみがピキピキと動いた
「次ぼけっとしたこと言ったらどうなるか分かりませんよ」
「え?そんな事言った?」
本当に、自分の魅力に気が付いて欲しい
もうそれならいっその事ナルシストにでもなってくれた方が都合が良い
「言いました」
「でも、どうなるか分からないって言っても俺が嫌がる事を爽太君はしないよ。
それに、爽太君にされて嫌なことなんか一つもないんだけど」
「……っ」
全く、嘘偽りのない言葉は真っ直ぐに届いて
ますます俺ばかりが夢中にさせられる
この人が周りのことを考えられなくなってしまうほど、俺に夢中になってくれることはあるのだろうか
「…手、握ってますから目閉じてください。
熱が上がったら千紘さんに怒られます」
「爽太君が怒られるんなら早く下げないとね」
突っ込みどころは山ほどあるけれど、大人しく目を閉じた善さんを見てしまえばどうでもよくなった
「あの…俺が目を開けても」
「大丈夫です。ずっと握ってますから」
不安そうに開いた瞳にゆっくりと語りかければ、今度は安心したように目を閉じた
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