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「ここはさっきの公式を使うんだよ」
「あ、そっか」
善さんは見た目通り、というか予想通りで、勉強が良くできる人だった
本当に非の打ち所がないなと実感する。
「…すみません、これって何でしたっけ」
「えっとね、これは2ページ前の公式を応用して…ほら、ここ。そのままじゃ使えないから展開して使うんだよ」
善さんの説明は分かりやすく、こんな事がどうして理解出来なかったのかと思わせられるほどだった
そして問題を追う指が細長くて綺麗だから、ついその動きを目で追ってしまう
「……爽太君?」
顔を覗き込まれて整った善さんの顔が近くまで来る
不覚にもどきり、と胸が鳴った
「っ、すみません」
「もー。もう一回説明するよ?」
呆れたように言われて苦笑いを溢す
せっかく教えてもらっているのにこんなんじゃ申し訳ない
それから分からないところを指差しては、善さんが丁寧に分かりやすく教えてくれて
気が付けば夕日が窓から差し込んでいた
その光が善さんの白い頬を縁取って、動く度にキラキラしててすごく…綺麗だ
「…えっ、と…何?」
つい、その頬が現実味に欠けている気がして手を伸ばしてしまう
するとそこは冷たいけれど確かにあって
「いや、あんまりに綺麗だから…なんとなく」
「ふは…っ、女性を落とす殺し文句?それ」
普段あまり聞く事のない吹き出すような笑い方
それでもゲラゲラ笑う、とかそんなんじゃなくて静かに肩を震わせるだけだ
「いや、別に…善さんだけで……って何言ってんだ…」
口走った言葉が臭すぎて間を入れず直ぐ我に帰る
何も言わない善さんに不安になり、表情を見ると頬が赤く染まっているのが分かった
それは、夕日のせいじゃないと分かるくらい
「え……頬が…」
「ほんと、俺をどうしたいの。君は」
机に片手をついて少し身を乗り出す
善さんの甘く、花のような香りが風に乗って
唇に柔らかい感触を残した
「……っ!」
「顔真っ赤」
2人して赤い顔になってしまい、合わさった瞳で笑う
少し照れたような、恥ずかしそうな、嬉しそうな
善さんの顔は可愛くて、可愛くて
その顔をずっと見ていたいと思ってしまった
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