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「着いたー!」
電車に乗った後、バスで30分ほど移動をしてようやく海に到着した。
そこはもうかなりの人で賑わっていて潮の香りが漂っている
「着替えるところって…あー、あった」
直ぐに周りを見渡して行動する千紘さんは一番年齢が高いのもあって、しっかりしている
全員のお兄ちゃんのような存在だ
「思ったより人多いね」
「うん、俺もそう思ってました」
砂浜にはレジャーシートや、パラソルを広げていて新しくシートを敷くような場所は見当たらないくらいだった
そんな会話をしながら更衣室へ足を運ぶ
更衣室の中ももちろん荷物が沢山あり、ロッカーは二人で一つを使う事にした。
「はい、爽太君の荷物ちょーだい」
「あ、ありがとうございます」
貴重品と水着を中から出して、残りを善さんに渡す
善さんも同じようにしてロッカーの鍵をかけた。
「よし、準備できた」
男の着替えは早いもので、入って5分も経たずに全員の着替えや準備は終了する
「あー待って待って。善、日焼け止め塗った?
あと、パーカー着て」
千紘さんは準備を終えて出ようとする善さんを引き止めて、それらを渡す
きっと白すぎる肌に海辺の紫外線は強いのだろう
何も対策をしないと皮膚ガンのリスクが高くなるとかを聞いたことがあった
「あはは、千紘お母さんみたい」
「善が自分でやらないからでしょ」
確かに、そのやりとりはまさに親子だ。
翔と俺で笑っていると善さんは恥ずかしそうに肩をすくめた
「うん。出来た。」
千紘さんがそう言って、ハーフパンツの水着に長袖のパーカーを羽織った善さんがこちらを向く
俺もこの白い肌を誰かに見られたくないと心の何処かで思っていたらしく、パーカーを羽織った姿を見て安心する
ただ、パーカーのチャックは全開で抑えきれない艶っぽさが出てしまっているのが不安だ。
「楽しみだね」
「…はい」
ただ、本当に楽しそうに笑うもんだからもう頷くしかなかった
そしてふと、目に入るものがあってそこに視線を向けると翔のズボンだった
「ふはっ、めっちゃ派手」
「いーだろー、これ」
翔が履いていたのは、ネイティブ柄のハーフパンツだった
けれど、華やかで整った顔立ちの翔にはとても良く似合っていた
「うん、似合う」
「…素直に褒められると照れるんだけど」
そう言ってそっぽを向く翔は、この派手なズボンを履いているのとは不似合いすぎるくらい子供っぽく見える
「ふっ、何やってるの二人で」
千紘さんはクスクスと笑いながら俺らを見る
善さんも口元に手の甲を当てて堪えきれない、と言うように笑っている
「もー、本当に可愛いね君たち」
そう言って笑う善さんの方がよっぽどだ、と翔も思ったに違いない
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