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幸せ
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「ふー、帰ってきたー」
あれから解散をした後、善さんの家の食料は無い確率が高いためスーパーで買い物をしてから帰ってきたのだった
善さんは先に家にいてもらおうとしたが、付いていくの一点張りだった
やっぱり、一人になるのは不安なんじゃんか。
そう思った
「善さん何食べます?」
「んー、爽太君と同じのでいいよ」
そう言われて考え込む。
普段から食が細いのに、今日はもっと食べる量が少なくなってしまうはずだから何を食べてもらうのがいいのか…
少なくても栄養を取れるのにしようと思うと重くなってしまうし、逆だと量を取らないといけなくなる
…む、難しい…
「どうしたの?」
なかなか動き出さない俺を心配してくれたのか、ソファーに座っていた体を起こして俺の近くに来た
けれど、その距離は以前よりもずっと離れていて未だ自分が恐怖の対象なのだと思い知らされた
「いや、何にしようかなーって思ってて…」
「リクエストしてもいい?」
こういう時に助け舟、というか提案をしてくれるあたり、やはり年上らしいと思う。
大人の余裕、その言葉がまさに善さんに当てはまる
「はい、お願いします」
「じゃあお素麺が食べたい」
素麺だったらさっぱりしているし具沢山にすれば栄養も取れる。
もし少し時間が経ってがっつりしたものが食べたいと言われたり、食べられそうならば肉でも入れればいいし
「分かりました。今から作るんで善さんは座っててください」
「えっ、手伝うよ」
近くにいることも震えてしまうくらい怖いはずなのに、本当にこの人の気遣いを見ていると頭が痛くなる
「良いですって。色々あって疲れたでしょう?
俺が作ってあげたいんです」
そう言うと苦笑いをしてからごめん、ありがとうとだけ言ってソファーに戻った
その後ろ姿はやっぱり細くて、華奢で
きっと抵抗するにもあの体じゃ敵わないのだろう
もう2度目はないし俺がそうならないように側にいるけど、いつも一緒に居られるわけじゃない
そう思うと細い体をもう少しだけ、肉をつけないと、そう思わせられた
そして俺は、テレビも何も付けずにソファーにポツリと横になる善さんが心配で、横目でチラチラ確認しながら料理を始めることにした
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