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「え………っ、!?何の音…、善さん?」
物凄い音がして、朝目を覚ました。
隣にいるはずの善さんは居なく、抜け殻だけで音の正体はきっと善さんだ
寝起きでぼーっとする中、必死に頭を働かせようと目を開くと下に転げ落ちてる善さんがいた
「善さん、大丈夫?怪我してない?」
急いでベットから降りて善さんを起こすと白い額が少し赤くなってしまっていた
他には目立った外傷はなく、とりあえず安心する
「うん、大丈夫。ごめん起こしちゃって」
「いや、それは全然良いんですけど….何でベットから落ちたんですか?どこか具合悪い?」
そう聞くと頬を赤らめた後、少し気まずそうに視線を泳がせる
その行動の意図が分からず善さんの言葉を待っていると目をそらしたまま口を開いた
「立とうとしたんだけど、その…腰、が痛くって力が入らなくて…落ちちゃった」
「……あっ、すみません」
何だこれ。二人して顔を赤くして、中学生かよ
善さんを抱き上げてベットにそっとおろし、もう一度額を見ると赤くなっただけではなくたんこぶまで出来てしまっていた
「起こしてくれれば良かったのに」
「…本当は、爽太君が寝ているうちに朝ごはん作って驚かせたかったんだけど…ダメだったね」
こんな可愛いことを言われて冷静でいられる男が何処にいるのだろう
年上で、しっかりしてて、強がりで、
だけど自分の前ではこうして色々な表情を見せてくれるのが嬉しい。
「ふっ……じゃあ、お昼ご飯一緒に作りましょう?朝は俺が作りますから」
「えっ、でも……」
「そんな状態にしちゃったのは俺ですから、朝はゆっくりしてください」
昨日加減しないで散々やった俺が悪い。
初めてで、あんな風にしたらそりゃあこうなるよな…
冷静に考えれば分かることも、この人を前にすると何故だか感情が突っ走ってしまう
「ありがとう、楽しみだな」
口元を手で隠しながらふわりと笑った
よくよく考えれば二人とも下着姿な訳で、そんな無防備な格好で無防備な笑顔を見せられれば色々と大変だ
「善さんはとりあえず服、着てください」
「あ、そこのチェストに服入ってるから好きなの選んで着て良いよ。ゆったりしたものなら多分切れると思う」
本当に人のことばかりだ、善さんは。
それが長所でもあるけれど少しでも自分の方へその気遣いを回して欲しいとも思う
「これ借りても良いですか?」
黒のオーバーサイズのTシャツを取り出して聞く
多分、これなら俺でも普通に着られるはずだ。
善さんの洋服はどれも細身でズボンは昨日履いていたものを履くことにした
「えー、それワンピースみたいにして着れば良いのに。似合うよ絶対」
クスクスと揶揄うように善さんは笑った
善さんならまだしも筋肉がついたゴリゴリの男がワンピースは酷いだろう
「何言ってるんですか。じゃあ、善さんがそうしますか?」
「うん、そうする」
その言葉に洋服を見ていた視線をブンッ、と一気に善さんの方へ振り返ると善さんは可笑しそうに肩を震わせながら笑う
「も、ほんっと可愛いすぎるでしょ…っ、あはは
……嘘だよ。普通に俺もTシャツ着るよ」
「………………はい、どーぞ」
白い無地のTシャツを手にとり、引きつった笑顔で善さんに渡す
その間も堪え切れないと言うように笑っていたけれど
「ありがとう」
それでもお礼はちゃんと、目を見て言われる。
白いTシャツを着た善さんはカーテンから漏れる朝の光に照らされて、なんだか別の世界から来たような神聖なものに見えてしまった
ベッドの白、壁の白、服の白、肌の白
全部が白で包まれてて綺麗だ。とても
「ん?何?」
俺がぼーっと見ていたせいか、善さんにそう声を掛けられる
なんだかそこから音が出ているのが不思議で、また思わず見入ってしまいそうになった
「いや……なんか、綺麗で…見惚れてました」
「あはは。何それ」
そうやって笑う善さんは、やっぱり綺麗だった
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