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「ねぇ、爽太君…」
妙に真剣な顔つきで口を開く善さんに若干の不安を感じながら続く言葉を待った
「はい?どうしました?」
「爽太君がもし同じ状況なら、母の姉に会う?」
どきりと胸が音を立てて、何をどう言う風に伝えようかと言葉が頭をぐるぐると回る
「え、っと……俺は、会いたいと思うなら会います。善さんは、会いたいと思いますか?」
「………分かんない」
思い悩んで、すっかり元気をなくしてしまった善さんにガサゴソと鞄をあさる
「善さん、お手」
「……え?」
ぽかん、それがしっくりくる顔を善さんはしたけらど素直に手が置かれた
「おかわり」
「…………っ」
いつかの、誰かさんの真似をすると善さんも気が付いたようでおかわりをした手は少し震えていた
「キャラメル……」
「はい。あれから俺、大好きになっていつでも持ってるんですよ」
善さんがくれたあの日から、ただのお菓子から俺の中で不動のナンバーワンを誇るお菓子になった
「あはは、爽太君はほんっと可愛いよね」
俺からすれば、穏やかな笑みを浮かべる善さんの方が可愛い。
そして手の中のキャラメルを優しげに見つめて、ゆっくりと口の中に入れた
「善さん、俺にもください」
「えー?今持ってないよ」
困ったように笑って言う善さんの腕をぐいっと引き寄せて深いキスをする
「ん………っちょ、……そ、うた…っ」
余裕のない声に、縋られるように服を掴む手に
心臓の鼓動が恐ろしいくらい早まる
「ん、うまい」
「…………っ!も、何やってるの?」
顔を赤らめた善さんが可愛くて、可愛くて
つい笑ってしまうと拗ねたように頬を膨らませた
その頬の空気を抜くようにつつくと、すぐに笑顔に戻った
「ふは…っ、やっぱり善さんは笑ってる方が可愛い」
「…………へ」
気が抜けたように間抜けな声を出す善さん
少し目にかかった前髪を指で退かして、額にキスを落とす
「さっきの答え、変えます。
善さんが会いたいと思ってもさっきみたいに傷付くんなら会って欲しくないです。…酷い奴だって思います、……本当に」
善さんは少し目を丸くしてから、俺をぎゅっと優しく抱き締めた
「酷い奴なんて言わないで?
そんなの、俺だってそう思うよ。俺も爽太君には傷ついて欲しくない。
…考えたくはないけど、もし君を傷付けた人がこれから先現れてしまったら俺は一生許せないだろうね」
「善さん……」
相変わらず優しすぎる善さんは、人のことばかりだ。
「…俺、今は会うのやめる。でも爽太君に言われたからそう決めたんじゃないよ?
ただ、決めた理由の沢山の中の一つの要素として爽太君が入ってるってだけだからね。」
「はい…善さん、ありがとう」
ふわり笑った善さん
もう傷ついて欲しくない、それだけが願いだった
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