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あそびましょ
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「遊ぶ?」
「そう、俺と和翔のふたりっきりの遊び」
遊びって何?
意味わかんないんですけど、その一言で終わりのはずなのに……
俺はその詳細が告げられるのをじっと待ってしまう。
「毎日さ、同じようなことの繰り返しって嫌になるだろ?俺は正直みんなに天才俳優~なんてチヤホヤされるのにも飽きちゃったんだよね。そりゃ俺天才だし?」
あれ、この人こんな人なの?
めっちゃナルシストじゃね?
「くだらない毎日が何か変わんねえかなぁと思って芸能界入ってみたはいいけど?なんかトントン拍子に話が進みすぎてつまんねえの。それってさ……」
これがこの人の本性か。
そりゃあの優しそうな笑顔が胡散臭いわけだ。
嘘なんだもんな。
自販機に寄りかかって缶コーヒーの残りを一気に流し込んで言葉を貯めて……真っ直ぐに俺を見てくる真っ黒な目が怖い。
今度は何を言う気なんだよ。
「お前も同じだろ?」
ガツン、と脳を直接叩かれたような、そんな衝撃が走った。
「聞いたよ、お前のグループJOKERってスカウトのメンバーだけ集まったユニットなんだって?それなのに現在順風満帆、苦労の欠片もない。違う?」
ああ、そうだよ。
気づけばチヤホヤされて、
スポットライトのキラキラに憧れてたはずなのに、
今はもう、そんなものに価値が見いだせないんだ。
キラキラなのに退屈。
他の人が聞いたら羨ましがる、贅沢な悩み。
「その顔は、肯定だな」
ニヤリ、なんて音が似合う笑い方。
「さあ和翔、俺と遊ぼうか」
悪魔の誘いに俺は気付けば肯いていた。
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