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父様のサラサラの尻尾を初めて触った。けど父様なんでいきなり尻尾!? ジッと目をそらさず見詰めた。
「――良かった」
口数が少なく無表情しか見たことがない父様が安心したように微笑んでくれた。優しい僕の家族。もう怖くない。
父様の執務室を出て部屋に戻った。
ルーにぃとクーにぃに向き合う。ちゃんと目を見るのは久しぶりだった。
「今までごめんなさい。ルーにぃ、クーにぃ、我儘ばかりで迷惑かけて」
申し訳なくて尻尾と耳を垂らす。
「フィ、ごめんなさいじゃなくて、笑顔でありがとうって言って」
「我儘とか迷惑なんて思ってないよー。フィ、よく頑張ったね!」
側に兄がいないと手のかかる弟なのに、ルーにぃもクーにぃも優しく甘やかしてくれた。
「ルーにぃ、クーにぃ、ありがとう。これからもずっと一緒にいてね」
今まで我慢していた反動で抱き付いてスリスリ甘えて、頬に何度も口づけた。
「大好き、ルーにぃ、クーにぃ」
それから少しずつ邸で働いている使用人の人から慣れた。侍女のリズが僕の専属メイドになった。
「リズ、もう傷つけないから、手、繋いでくれる?」
「はい!フィーリィー様」
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