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「よいしょっ…はぁ………今日もいい天気だなー…」
これだけ晴れてると家にいるのがもったいないな。
俺は今ベランダで洗濯物を干している。水を含んだ服はやたらと重くて2階まで持って上がるのに体力が必要だ…。
運動もそこそこしかできないし、体力があったわけでもないから昔と今は変わらないけれど、なぜか若かったらな…と思ってしまうのは俺が歳を取り始めているということなのだろうか。
「太陽さん、それだけ無駄に光ってるなら章優さんの目にも見えるように光ってあげてよ」
砂漠などにガンガン照りつけられている太陽の光を少しでも章優さんに分けてはくれないだろうか、この世界を少しでも見せてあげる事は出来ないのだろうか。
なびく風に柔軟剤の香りが乗って、太陽の光が降り注いで凄く心地がいい。
洗濯が済んだら次は買い物か、今日の晩御飯は何にしよう…麺類は章優さんが食べにくいからと避けてるが、さすがにレパートリーもなくなりそうだ。
今度母さんや茜さんに聞いてみようかな。
「太陽さんは俺に光はくれないみたいだね」
「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
「うわぁ!!びっくりした」
「それはこっちですよ!!!何でここにいるんですか!!!ここ2階ですよ?!危ないじゃないですか!!」
「幸仁を追う旅に出たら、どこかの可愛い少年が太陽さんに話しかけているみたいだったから」
2階なんて今まで危ないから上がらせてなかったのに…、しかも凄い恥ずかしいところを聞かれてしまった。
「太陽さんが願い叶えてくれるかもしれないじゃないですか!!」
「ふww俺の奥さんは幼稚園の先生にでもなるのかな?ww」
ちょっと小馬鹿にするような言い方だが章優さんはなんだか少し嬉しそうな顔をしている。
俺は神様を信じているわけじゃないが神に頼る事はしないわけじゃない。どうにもできないことはやっぱり願ってしまう。
自慢にはならないが、小学4年生の時に初めて章優さんと出会ってその年から毎年、俺は七夕になると短冊に章優さんの目が見えるようになりますようにと書いている。
高校の時、その歳にもなって短冊を書くのかと家族やクラスメイトに馬鹿にされたがそんなのどうでも良かった。
「もう、ほら階段降りますよ?気をつけてくださいね」
「はーい先生」
「なっ…、手離しますよ」
そう言うと少し黙った章優さんだが笑いを堪えている顔をしているのは分かっている。
「そういえば、俺後で出かけてくるね」
「へ?!?!どどど、どうやって…!!いや別にそれは良いですけど…」
「相手が迎えにきてくれる、だから着替えを出していてほしい」
「わ、分かりました」
「すぐ来くわけじゃないから、先に買い物に行っておいで俺は大丈夫だから」
章優さんにも出かけるようなお友達いたんですね…知らなかった。でもなんだか俺が必要なくなるんじゃないかって心配になってしまう…
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