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おでこがひんやりとしている。
(気持ち良いし、落ち着くな......でも、なんかさっきも同じようなことあったような......)
「はっ......バイト!」
勢いよく起き上がると、視界に映るベッドとシーツから、どうやら自分は寝てしまっていたらしいと分かる。
「どうしよ......俺、倒れて......迷惑......」
(せっかく雇ってもらったのに、どうしよう......!)
職務放棄をしてしまったことにパニックになっていると、またおでこにひんやりとしたものが。
「こーら、寝てろ。バイトは大丈夫だから。しばらく休みで良いって」
「......え?」
聞き慣れた声とともに、おでこを押されて無理やり寝かされた。
見上げた先には......高谷先生?
「何で......高谷先生が、ここに?」
「望月が倒れて病院に運ばれたって、バイト先から叔父さんに電話行ったんだ。叔父さんは仕事が忙しいからって俺に」
「あ、あの......叔父さんって?」
俺が倒れて連絡が行ったという状況から考えると、叔父さんなる人物は大体予想がつくけど、高谷先生がそう呼んでいることに疑問を持つ。
高谷先生にとって、俺のお父さんは保護者のはず。
「望月の親父さんは俺の母さんの弟さん。望月と俺は従兄弟同士」
「え......、従兄弟、ですか?」
(従兄弟って、血の繋がりがあるあの従兄弟?親戚関係にあるあの従兄弟?)
正直、実感が湧かなかった。
今まで親戚なるものと交流を持ったことがないからだ。
母親とも父親ともろくに会っていないのだから、当たり前だけど。
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