アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
険悪
-
あの後、午後からは学校に戻りいつも通り授業を受けた。
礼央が僕にからかって悪かったと謝ってきたので僕も怒鳴ったことを謝罪した。
礼央だって僕のことが嫌いで言ってる訳じゃないしむしろ僕に彼女がいないことを気遣ってのことだ。
ただ、やっぱりこれから礼央は彼女と買えるんだろうか。
そしたら僕は放課後残ってる意味がなくなる。
どうせ本なんか借りに来る人いないし、帰ってしまおう。
2人が一緒に帰るところを見たらそれはそれで傷つくんだろうし。
そう思い下駄箱で靴を履き帰ると
「真琴、帰るの?」
礼央に呼び止められた。
「なんか用事?」
いや、そうじゃないけど、これから僕と帰るのはおかしいだろ
『そうじゃないけど、これからは彼女と帰るだろ?』
「別に彼女できたって真琴と帰るよ」
彼女より僕を選ぶのか。
嬉しいような。それでも、最終的には彼女の手を握るんだろうと思って悲しくなる自分もいる。
「真琴、俺のこと避けてる?」
礼央が僕に詰め寄る。
避けてると言うか、ただ礼央のことを見たくない。
礼央のことを見ていると自分の中に醜い気持ちが出てくる。
『そんなこと、、、、』
「真琴、俺の前で笑わなくなったよな」
礼央が真面目な顔をして僕に言った。
その目がまっすぐすぎて僕は何も言えなかった。
しばらく黙っていると
「まこと」
後ろから僕を呼ぶ声がして振り返ると、真壁が立っていた。
「もう帰るの?おれと帰る約束は」
真壁はそう言いながら、僕の頭に手を置いて来た。
『やめろよ重い』
「あれ?ごめん丁度良い高さだったからさ」
人のことをチビ呼ばわりか!
『チビで悪かったな!』
「誰もそんなこと言ってないだろ。ただ丁度いいって言っただけ」
今日の午前中に2人の距離が近くなったこともあって笑いながら話していると
「真壁、部活は?」
礼央が驚くほど低い声で真壁に言った。
「行きますよ。真琴と話した後に」
「真琴と仲よかったなんてしらなかったな」
「趣味が同じなんで」
あれ?
なんか2人って仲悪い?
バスケ部のキャプテンと期待の新星
まぁライバル的な感じで仲が悪いこともあるのかな。
にしても、後方に真壁、前方に礼央。
180cm越えの2人に挟まれて真ん中にたたずむ自分。
なんだこの気まずい雰囲気
『今日は、僕帰るよ』
真壁と礼央、どっちに言うわけでもなく下を向いたままそう言い放ち、その場を後にした。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
17 / 33