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勝負
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体育祭が終わってすっかり普通の日常に戻った学校生活。
昨日までの慌ただしい準備期間が嘘みたいだ
高校最後の体育祭。
その結末は最悪のものだった
勝手に期待した僕が悪いんだけど、、、、
それなのに真壁に八つ当たりしてしまったな、また謝りに行かないと
「真琴、、、」
窓の外をぼーっと眺めている僕に礼央が気まずそうに声をかけた。
「昨日の後夜祭のことだけど、、、」
『、、、、、なんのこと?』
公開キスしたことだろ、、
別に僕に弁明する事も無いと思うけど。
「見てただろ、、朱梨と、、その」
『キスしたこと?別に付き合ってるから普通じゃ無いの?』
僕は礼央の方を見ずに、ずっと窓の外を見ていた。
礼央の顔を見たら泣いてしまう気がしたから
「そのことだけど、話したいことがあるんだ。今日一緒に帰らない?」
『いいよ。じゃあ待ってる』
それだけ言うと、礼央は自分の席に戻って行った。
話したいことって何だろう。
どちらにせよ、もう期待はしない方が良さそうだ
そう自分に言い聞かせた。
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放課後、そろそら部活が終わるであろう時間を見計らって体育館に向かうと、まだボールをつく音が聞こえた。
まだ早かったかな
そう思って出入り口から少しだけのぞくと
コート内には2人だけ残って1対1で戦っていた。
残りの部員は傍観している。
その2人とは
真壁と礼央、、、
『忠!何してんの?!』
たまたま近くにいた忠に状況の説明を頼む。
「終わって、ストレッチしてる時に、急に真壁が礼央に1on1やろうって誘ったんだよ」
真壁から誘ったのか、見る限り力の差はないように見える
ほぼ互角だ
「まさか、礼央もノルとは思ってなかったけどな。もうかれこれ20分はやってるぞ」
え!20分間動きっぱなし、、、、
そしてやっぱりそれだけ決着がつかないほど互角なんだ、、、、。
今、ボールを持っているのは礼央。
真壁はこっちに背を向けながらディフェンスしている
礼央がこんなに必死になるなんて、余程真壁は上手なんだろう。
そして絶対負けたくない
そんな思いが伝わってきた
心の中で 頑張れ そう叫んでしまう
その時、礼央と一瞬目があった。
時が止まったように感じたが
次の瞬間、礼央が真壁をドリブルで抜いた
真壁は必死に追いかけるも追いつけず礼央は綺麗にドリブルシュートを決めた。
周りからは歓声が上がったが、2人は息をあげてその場から動かなかった。
しばらくして、真壁が近くに置いてあったタオル掴んで俯きながらこちらに向かってきた。
凄く悔しいんだろう。真壁が負けず嫌いなのはよく知っている
真壁は出入り口まで来るとようやく顔を上げ、僕にも気づいた。
いつもなら少し笑顔を見せるだろうが今日は、、、
「邪魔、、、」
息を切らしながら無表情でそう言って体育館を出て行ってしまった。
あんなに落ちている真壁を見たことがない
追いかけた方がいいんだろうか。
まだ昨日の事も謝ってないし、、、
そう思って真壁を追いかけようとした時
「真琴!!!」
後ろから礼央に呼び止められて振り返る
礼央はまっすぐな目で僕に
「帰ろ」
と言い、頷いた僕を見ると安心したように着替えて来ると部室に入って行った。
真壁はどうしよう。
礼央に言って話はまたの機会にしてもらおうか、、、
迷っていると
「真壁のことは気にするな、俺が行くから!」
『でも、、、』
「大丈夫だって!それに、今お前が行くと余計こじれる」
余計こじれる??
どういうことだ?
疑問に思いつつも、忠が真壁を追うのを止めはしなかった。
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