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※テンパリング
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カシャンカシャンカシャン
カシャン
実習室に大理石とヘラが
擦れることだけがこだまする
すっかり外は日が暮れたが、
実習室だけが明かりがついている。
実習室の先生に、テンパリングの練習が
したいから残らせてほしいと頼みに
いったら快く許可を出してくれた。
カシャン…
…エリックの頬は悪かったと思ってる
でも、突然あんな大勢の前で…!
欧米文化にとっては普通なのか?
俺がおかしいのか?
「…!ダメだ、雑念が入る」
チョコレートに触れているときは、
何も考えずにすむのに
あいつに会ってから、ずっと…
ガチャっ
バタン
誰か入ってきたのか、足音がする
カシャン、カシャン
顔を上げずに、テンパリングの
最後の仕上げをする
「おい、」
管理人の先生か…?
今手を離したくなく、顔だけあげると、
男子生徒が3人、立っていた
ニヤニヤして目配せしている様子から見て
冷やかしか。
「…なに?」
そいつらには目をやらず
テンパリングを続ける
「お前さぁ?ちょっと日本で有名だからって
ここでも通用すると思うなよ?」
カシャン、カシャン
「お前みたいな奴、この学園には
ゴロゴロいるんだ」
カシャン…カタッ
そこで初めて目を上げる
…馬鹿馬鹿しい、嫉妬かよ
そんなの、今日が初めてではなかった
「…俺がどこでどう思われようと関係ない。
気が散る、用がないなら出てけよ」
「っ!!」
冷蔵庫に行くためにそいつらの間を
通ろうとした瞬間、強く肩を引かれ、
別の調理台に肩からぶつかり、バランスを崩した
「いッ…」
「生意気なんだよお前!」
グイッと顎を捕まれ、
そいつの方を見させられる
「…へぇ?態度は可愛くないくせに
顔だけは可愛いな?」
「っ…!離せ!」
相手の力が強く、
台に強く押し倒される
ぶつけた肩が痛く、上手く振りほどけない
「ホントだ…結構可愛いな」
「おれ…こいつなら男でもいけるかも」
男の息が荒くなり、鳥肌が立つ
気持ち悪いっ…
「ふざけんな、やめろっ…!」
顔が近づいてきて、キスをされると思い、
足をバタつかせ、抵抗するけれど、
無意味に変わった
あぁ、なんで、こんな時に
エリックの顔が浮かんだんだろう
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