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ショートケーキ
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「今日はお互い午後の授業が
少なくてよかったね」
「そうだな。」
淡々と答え、いつもの
黒いエプロンを着ける。
「でもシュン、数えてみたらコンクールまで
あと1週間と少ししかないよ?」
「十分だろ。」
そう答えて顔をあげると、
満足そうに微笑むエリックがいた。
「それで、どうする?
シュンのことだからメインは
チョコレートかな?」
「おい、俺をチョコレート頭だと
思うなよ…今回のテーマは異文化を焼く、
だからチョコレートは不向きだ。」
言われていれば何を作るか
まだ決めていなかった。
何がいいだろ…
異文化
焼く…オーブンか
「エリック、お前ショートケーキって知ってる?」
案の定、ショートケーキ?と
頭にはてなを浮かべて聞き返してきたエリック
「日本発祥のケーキ。そうだな…
イギリス、アメリカではショートブレッドが
一般的か?」
「ショートブレッド!俺のとこでは
スコーンの次にポピュラーだよ」
「だろうな。」
ショートブレッドはバターたっぷりの
サクサクの焼き菓子。元々は
スコットランドの伝統菓子がその原型で、
ショートブレッドに生クリームや
フルーツを添えたデザートだ。
「日本では、スポンジケーキを土台にして、
ホイップクリームをつなぎと外装にして、
イチゴを味付けに使ったものなんだ。」
「へぇ…確かに聞いたことはあるけれど、
食べたことはないな…」
「じゃあ、やるか。」
やるからには全力で。
キュッとエプロンのリボンを絞め直す。
エリックが「シュンってチョコレート以外も
興味あるんだ…」という謎の感動を含んだ
言葉は無視をした。
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