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叶わない○○
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***
「ちょっ…ムリ…」
「えぇ?まだまだでしょぉ?」
「何回やるんだよッ…!」
「ん?シュンの体に僕の教えを全部叩き込む
までだよ~?好きでしょ?そういうの…」
「紛らわしいわ!!」
夜のリューヌ寮に、シュンの鋭い突っ込みが飛ぶ
うん、そこだけ聞くとなんかいかがわしいこと
してるみたい~
そうじゃなくて…特別特訓という名の
マナー教室も、もう三日目。
(ああみえて一応)エリックの家はイギリスの
上流階級、きちんとしたマナーでいかないと
作戦うんぬんの前に追い返されちゃうからねぇ
歩き方から作法、テーブルマナーまで放課後を
使って叩き込んだおかげとシュンが
物覚えがいいからどこに出しても
大丈夫だとは思うんだぁ
「じゃあ、今日はここまでねぇ」そう言って
シュンと並んで椅子に座る。
いよいよ明後日が出発で、クリスマスイブ。
明日の授業は午前中でおしまいだよぉ
「シュン、明日はなにするのぉ?」
「明日、は…ちょっと用事」
珍しく言葉を濁したシュンに、ニヤニヤしちゃう。
「エリック?」
「はぁ!?ちげーよ!」
名前を出しただけでこの反応なのがすごく
面白いんだぁ…ちょっと、寂しいけどねぇ。
「…ねぇシュン、ドイツ楽しかった?」
「あぁ。いいアイディアも浮かんだし
刺激的で何か感化された。」
そうだよねぇ…シュンは
チョコレートが大好きだもんね~
でもちょっと質問に対する答えは
想像しているのとは違った。
わざと、考えないようにしてるのかな?
「あのね、シュン…俺はどんな形でも
シュンを応援するし、シュンの味方だから…ね?」
僕がそう言うと、シュンは一瞬瞳を揺らがせた。
何事もにも動じない、チョコレートのことしか
考えない彼が今唯一…思い悩んでいること。
それはエリックのことだった。
あの時から二人はギクシャクした
感じもないし以前とどこも変わらない。
でもたまに…シュンがエリックと話した後に
少し悲しそうにするのを僕は知ってる
シュンは俺から目をそらし自嘲気味に笑った。
「俺は、もしかしたら
間違ったのかもしれない。」
「うん…?」
なにがだろう?そう思ってシュンを見ると、
シュンは真剣な目を向けてこう言った。
「でも、どこかで間違っても戻ることは
できないし、進むしかない。」
自分自信に確かめる用に言った後、
シュンは俺を真っ直ぐに見て、
柔らかく微笑みながら
「ありがとうルイ」
と言った。
あまりに綺麗に微笑むから
何故か僕が悲しくなる
シュンが悲しくても
慰めることができるのはエリックだけで
シュンが怒っても
本気でぶつけられるのはエリックだけで
シュンの笑顔を1番見れるのはエリックだけ。
少し、少しだけ
切なくて、苦しくなったこの気持ちの
名前を、僕はしってるんだ。
でも、知らないように振る舞う
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