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クリスマスオーナメント
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バッグの底に入れてあった、
クリスマス模様の袋を取り出す。
その中には透明なクリスタルの、
ボールのオーナメントが4つ、箱で入っていた。
綺麗だったから買ったけれど、丁度持っていて
良かった。俺はそのオーナメントを
真ん中で開き、ガチャガチャのカプセルのように
開け閉めできるか確かめた。
「なぁに、それ?」
手元を覗き混んできたシャーロットに
その中の1つを渡してやる。
「紐はついてないけど…
クリスマスのオーナメント」
俺はオーナメントを1つ1つ丁寧に洗った。
その後、しっかり水気を取ったオーナメントに
テンパリングを終えたチョコレートを
ゆっくり流し込み、蓋をしてカプセル全体に
チョコレートが行き渡るよう手の上で転がす。
「なにしてるの?」
「チョコレートドームを作る。」
4つ全てにチョコレートを入れ、冷蔵庫にしまう。
薄めに作ったから早く固まるはずだ。
****
チョコレートが固まる頃合いを見計らって、
もうひとつの作業に取りかかる。
ジッパーにクッキーを入れ、麺棒を探しだす。
「おいバカ女」
「バカ女じゃないわ!シャーロットよ!!」
「うるさい。これ砕いて」
「はぁ!?なんで私が…!」
「食べたくないの?チョコレートドーム」
「うっ……!わかったわ!やるわよ!」
ブツブツ言いながらも、クッキーを砕く
シャーロット。食べたいって思ってもらえたの
なれば、どんな人でも素直に嬉しいと思える。
作業するシャーロットを横目に紅茶を
入れる準備をする。エリックに教わった通り。
「─茶葉の量、お湯の量、そして何分蒸らすか。
これによって紅茶は姿を変えるんだ。」
俺はエリックの作るミルクティーが好きだ。
エリックは、大丈夫なのだろうか。
あれから約2時間たっているけれど、携帯には
何の連絡もないからまだ話しているんだろう。
ちゃんと自分のこと、
言えてればいいんだけれどな。
あいつは考えすぎな部分があるから、
相手にこう言ったら傷つくかもしれない、
嫌われてしまうかもしれないって。
言いたいことは我慢して、ニコニコ笑ってる。
優しすぎるんだ。
「っと、…ちょっと!できたわよ」
グイッとシャーロットに袖をひかれて我に変える。
そこにはちゃんと細かく砕かれた
クッキーがあった。
「あ?あぁ…さんきゅ」
ポンポンッと同じ高さにある頭に手を乗せたら、
シャーロットは何故か顔を真っ赤にして急に怒った
「なっ!なっ!なにすんのよぉ!?」
「なにが?てかお前顔赤いけど大丈夫?」
顔を覗き混むとシャーロットは余計顔を
赤くして「わ!私はそんなテクニックで
堕ちないわよ!」なんて訳のわからないことを
言ってる。
「??…まぁ、いいや。よし、盛り付け。」
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