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18歳以上ですか?
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縮まる距離、これが二人
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***
イギリスでお酒を飲んでいい年齢は
16歳かららしい。それに、フランスも。
「だから今年のお正月だったかな?
ゼンとルイと3人で新年を祝って乾杯したんだ」
「へぇ…」
「ゼンったら以外と弱くて…
ルイなんかもうガバガバ飲んでたよ。」
来年はシュンも行こうねと付け足すエリックに
適当に相づちを打つ。
改めて店内を見渡すと普通に俺達くらの
10代から上は上品なおじいさん、おばあさん
まで様々な人がいた。
日本は20歳から飲酒ができるからかな、
文化の違いを改めて感じる。
ちなみに今もエリックはなんかお洒落な
やつ飲んでるけど、俺は普通にジュースだ。
エリックが勝手に頼んだ。
ぶどうの濃いジュース。
子どもかよ!
軽く夕飯を済ませ、こうやって他愛もない話を
していたら、時計の針は
中々いい時間を指していた。
それに、店の中はクリスマスの飾り付けがされ、
可愛らしく暖かい雰囲気だった。
うん、なんか懐かしい感じ…嫌いじゃない。
「ねぇ、シュン」
「ん?」
斜め前のテーブル席に座ってた
高校生らしき集団が、なにやら一人の携帯を
見て大盛り上がしている様子を見ながら
エリックに返事をする
「さっき言ってた、『恋人じゃない、
俺の相棒だ』って…俺、初めて聞いたんだけど?」
ちょっとニヤリとしながら言うエリック
いつもは見せないちょっと大人っぽく見えた表情に
一瞬だけドキッとしたのは隠しきれたはず。
「あれ、どうゆうこと?」
「…それくらい自分で考えろ」
今更ながらもしかしてとんでもないことを
言ったのではないかと恥ずかしくなる
あれは、咄嗟に出た言葉で
でも
心のどこかで、ずっと思ってた
言葉なのかもしれない
「あれ?シュン…どうして
急にほっぺ赤くなったの?」
「うざい」
「ここ別に熱くないよね?」
「お前本当今日うざい!!」
そう言いながらエリックの肩を叩くと
その手をパシッと取られ、エリックの
長くて綺麗な指が絡められた
「はは、ほんと可愛い…」
「ばっ、」
ばかじゃねーの
俺がそう言いかけた瞬間、エリックの携帯が鳴った
はぁと盛大に溜め息をするエリックは
画面を確認してキュッと顔をすぼめた
「母さんだ…ごめん、シュン……出てくるね?
ついでに会計してくるから、待ってて?」
スッと申し訳なさそうに立ち上がり
さりげなく俺の髪に軽くキスをして
外に出て行ったエリック。
平気でこういうことをするから腹立つ
なんで一々かっこいいんだよ…
「ばか…」
早く帰ってこいよ…
そう思い、さっきまで繋がれていた
左手をギュッと包むように握った
──コトッ
何故か目の前に置かれたカクテルグラス
茶色く、甘い匂い
「チョコレート…?」
いや…こんなの頼んでないし…単純に間違いか
でも、目の前の女性バーテンダーは
軽く会釈をしながら
俺の右隣を指した
「あちらの、お客様からです。」
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