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新年明けましておめでとうゼンだよ
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ニーハオー
お正月ってあったでしょ?オレもさぁ、
今年はエリックと坊ちゃんとシュンちゃんと
一緒にエリックの部屋でお祝いしたんだー。
まあ、普通にニューイヤーパーティーだよ!
お兄さん所は…あ、中国ね。
1月1日は普通の日なんだよねー。
中国のお正月は1月下旬から2月上旬なんだよ。
だから春節に中国に帰ればお正月は
2回楽しめちゃうんだ。WINWINだね!
んまぁ、あの子達といると
そんなことしなくてもWINWINで
楽しいからなんでもいいけど。
で、なんでオレがこんなに喋ってるかって?
そりゃあ……
「シュンおーそーいー!」
「何してるんだろうね?」
机をバンバンと叩き始める坊ちゃんと
苦笑いしながらそれを咎めるエリック
お気付きの通り、今は
ワールド・パティスリ・アワードを
1週間後に控えたオレ達はガーデンスペースに
ミーティングで集まっているんだ。
そこには、メインといっても過言じゃない
シュンちゃんがいないんだけどね。
約束の時間はもう10分も過ぎているし
いつも時間15分前にはいるシュンちゃんにしては
本当に珍しいことだと思う
「俺、見てこようか?」
待ちくたびれた。というよりは心配の方が
勝っているエリックが席を立ち、
扉の方まで歩いて行った。
その瞬間
ガチャッ
「おっと、!」
「ごめん遅れっ、ぶっ!」
ドアが開いて、急いで入ってきたシュンちゃんを
自然に抱き止める形になったエリック
「…んだよ、邪魔」
「ひどいなぁ…遅かったね、シュン」
「ナチュラルに抱きつくな、ばかっ!」
いつも通りの二人の茶番を見ながら、
坊ちゃんと顔を見合わせて笑う
「あ、遅れて悪い。」
席に座り、それだけ言ったシュンちゃんは
持っていた手紙を俺たちに投げてよこした。
【ワールド・パティスリ・アワード】
〜フランス大会詳細
テーマ[童話の世界と本物]
テーマ作品 2つ厳守
チーム構成 4人
開催場所……
____________
「やっぱり童話なんだぁ〜」
テーマは発表されていた通り。
どうするの〜?と
ルイが机に腕を伸ばしながら、シュンを見る。
「2つ…なのはわかってた。」
そう言いながらシュンちゃんはいつも
持ち歩いているスケッチブックの
あるページを開いて俺たちに見えるよう、
テーブルの真ん中に置いた。
1枚目には…台座に乗ったガラスの靴だった。
綺麗に色も付けられ、細かく丁寧に
一つ一つ説明書きされていた。
2ページ以降は…ボツ案ばかりだったのか、
バツ印が続いていた。
「シンデレラを、モチーフにしたかったんだ。」
「サンドリヨン?」
ルイがキュッと頭をあげてシュンを見上げると、
シュンはクスリと微笑みながら
「フランスでは、そう言うよな。」
といった。
「1枚目は…すごく素敵だね。でも2枚目以降は
どうしたの?これなんかすごく良いのに」
エリックが広げたページは、シンデレラと思われる
お姫様が両手を上げたバレリーナのような
ポーズをしていて、小さな女の子が
好きそうな感じだった。
こんなに良いのに…何がダメなんだろう?
シュンちゃん以外の3人が首を傾げる
「え?なんか…それだけじゃつまんねーだろ?」
どうやら、天才にしかわからない感覚…なの、かな。
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