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R15 ひとり
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かなり強引に奪われた唇
「ッ⁉︎」
今までにないくらい、荒々しいキス
「んん…っ!」
今、受け入れてはいけない
なんとか保たれた理性がそう言って
エリックから逃れようとするのに
「はッ…口開いてよ…」
薄目に開いた視界に入ってきたエリックが
不覚にもかっこいいと思ってしまって
1ヶ月ぶりに触れられて
本当は拒めなくて
「ふぁ…んん、…っ!」
キスってこんなに、気持ちよかったっけ
キスと貧血で酸欠の頭は朦朧としたいた
呼吸が苦しくなり、ようやく解放したもらえた
頃には軽く走った後みたいな息継ぎになっていた。
いつの間にか両手首はエリックの片手のみで
拘束されていて、力の違いを嫌でも実感させられた。
エリックの舌はそのまま首筋を履い、
いつの間にかシャツは第3ボタンまであいていた。
「見えるとこにつけちゃおうかな…」
わざと聞こえるように耳元でそう囁き、
制服では隠しきれない場所を舌で示した
「ばっ、か、やめっ…!」
言った時には遅く、チクリとした痛みが首元を走る
荒々しく余裕のない表情のエリックを見て、思った
今のこの行為も、愛なんてものは…きっとない
何も、ないんだ
そんなの、わかってる。わかってるはずなのに
心ではエリックを拒まなければいけない、
これ以上はダメなんだと思うのにそれに
反比例するように体は熱を帯びている
触られた所が点になって熱い
俺は少しの抵抗にと顔を背ける
「余所見なんて…許さないから」
耳元でそう言いながら耳を甘噛みしてくる
エリックの熱い吐息がかかり、
それだけでどうにかなりそうだった
「ひぁっ…あ、」
たったのそれだけなのに今の俺にとっては
強すぎる快楽にエリックに、また流されてしまう
「…アーサーにも触れさせたの?」
怒気を含んだ低い声で、耳元で囁かれる
え…?
何?
あまりにも急なものだから
頭が全く追いついてない
今、
今、何て言った?
「その顔は図星なんだ。」
サァッと顔から血の気が引くのがわかる
「どう、して…」
「この前、自習室に行ったら丁度君がいた。
でも眠ってたから起こさないようにしてたんだ。
そしたら、机の上に置いといただろ?携帯。
電話がかかってきて…知ってる名前だったから、
出た。」
あぁ、もう…アウトだ
一番聞きたくなかった名前が
一番知られたくなかった奴に知られてしまった
真っ白になる頭に、追い討ちをかけるように
またエリックの口から言葉が出る
「知らなかったよ。」
どこまで?どこまで聞いたんだ?
そう聞きたいのに、声が出てこない
声の出し方を忘れてしまったかのようだ
「はは…ねぇ、俺のこと…まだ、好き?」
口を開きかけた瞬間に、言葉を塞ぐように
無理矢理キスされる
「ッ!」
自分から聞いてきたくせに
聞きたくないように、塞いできやがった
「も、…ぁ、やめ…んッ!」
ガリッ
…反射的に、エリックの唇を思いっきり
噛んでしまった
離れる、体温
静かな部屋に2人の荒い息遣い
俺を真っ直ぐに見るエリックの
唇の端からは血が、滲んでいた
「……そうだよ」
見開かれるエリックの目
本当は、信じたくなかったのだろう
「リーに、会った…会ったよ!」
「どうし「お前に!!!」
はだけた胸から冷たい空気が入り込む
寒い
気温も
この空気も
お前の視線も
「…お前に今縋ったら…俺は、ここに来た
意味がなくなる。好きって、言ったら……
俺はもう、戻れなくなる」
お前を…アイツみたいに失いたくないから
言えない心の中の声
きっと、もう
ダメなんだ
最初から、こうなるってわかってた
口元から血を出したエリック
ため息も付かなければ、呆れもしなければ
「…もう、いい。」
静かにそう言って
乱れた制服を整えて、1人医務室を出て行った
これでいい
いいのに
どうして、こんなにも悲しくなるんだよ
胸が苦しくて、締め付けられて
今すぐ追いかけて謝りたかった
なのに
怖い
怖くて、怖くて
初めての感覚だった
俺はカタカタと震える指先を押さえ、
暑くなる目頭を瞬きをして誤魔化す
ことしかできやかった。
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