アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
誤魔化しはぐらかし目隠し
-
「しょうがないって…なんだよ、勝手に
お前がそう思ってるだけだろ」
机に肘を突きながら俺を軽く睨むシュン
その明らかに敵対した目つきに、ズキっと心が痛む
「ちょっとぉ…やめなよ〜」
あまりの空気にルイが苦笑いを浮かべ止めに入る
けれど、もう、遅かった
今日は何故かセーブが効かない
昨日の夜、勉強をしていて寝るのが遅かったから
寝不足だ。そのせいで、俺は少しイライラして
いて、周りが見えなくなっているのかもしれない
「本当は俺と出たくないんでしょ?
今の溜息なんか明らかにそう聞こえたけど?」
「誰もそんなこと言ってねえだろ。
勝手に解釈すんな」
「じゃあ、何?」
「はぁ?」
「今の溜息の意味、教えてよ」
なんか…めんどくさい10代の女の子みたいだ。
シュンだって、思いっきりしかめっ面をしているし、
めんどくさい、そう顔に書いてある
「うっざ…関係、ないだろ」
ほら、まただ
君はまた話を誤魔化す
一瞬のためらいと悲しげな目を見せたくせに。
「すぐそうやって…」
聞き取れるか聞き取れないくらいの
小さな声が自然に口から言葉が出てしまう
「おい、エリック…?」
ゼンの心配する声
ダメだ…俺はシュンより年上なんだから、
感情で動いてはダメだ。
そう、わかってるのに
今日の俺は…何故か感情のストッパーが
効いてくれなかった
今まで溜めていたものが、溢れ出たように
「いい加減にしてくれ!シュンは、
いつもそうだ…!話を誤魔化して、はぐらかして
関係ないって……!言いたいことあるなら
言えばいい!そういうの、得意だろ!!」
普段は見せない剣幕に
驚いて顔を上げたシュン
次の瞬間には、シュンも言い返してきた
「…じゃあ、お前らも真琴みたいに
しろっていうのかよ!」
マコト…?
誰のこと……?
突然出てきた謎の名前に
シュン以外の3人が不思議な表情をする中
シュンだけは、しまったと言う顔をしていて、
その顔は少し青ざめていた
「マコト…って、だぁれ?」
泣きそうな表情のルイをシュンチラリと見た後
苦虫を噛み潰したよう顔した
「……もう、要件は済んだだろ。帰る」
ガタンッと椅子から立ち上がり、
部屋を出て行こうとするシュン
悪い空気だけが取り残される
待って、待ってよ
まだ、終わってない
今、話さなきゃダメなんだ
俺は華奢なその背中に、無意識に叫んでいた
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
154 / 232