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何があっても
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僕の肩に頭を預けて黙って目を閉じているシュン
うわぁ…睫毛長い……お人形さんみたいだぁ
そうじゃなくて!
フルフルと頭を振って、邪な考えを振り払う
僕はちゃんと…シュンに伝えに来たんだから
目を伏せたままのシュンにもう一度目を向ける。
こんな距離感、人に触られるのが嫌いな
いつものシュンなら「触んなバカ」って避けるのに…
今日は避けないから
相当シュンも弱ってる気がするんだぁ
「あのねぇ…シュン、僕は……どんな
シュンでも、シュンの味方だよぉ?」
「ルイ……?」
驚いてゆっくりと目を開けたシュンの瞼を
手の平で覆い隠した
「シュンにすごく、悲しい過去があったのは…
よくわかったよぉ〜。だからって酷い人だな、
とか最低な奴…なんて、思わないよぉ
どんなシュンでも僕は…ううん、
僕達は受け入れるよ〜」
スッと手の平を外し、起き上がった
シュンと目線を合わせる
「…だって、友達だもん……今のシュンには…
なんにも信じられないかもしれないけどねぇ、
これだけは信じて………」
フッと揺れた真っ黒な吸い込まれそうなほど綺麗な瞳
その瞳に、優しく微笑むんだぁ…
「僕達は…シュンを信じてること。
何が、あっても……それだけは…忘れないでねぇ」
目を目開き、どうして……と小さく呟いたシュン
少し震えている白く細い、
綺麗な手を取って、優しく撫でる
「どうしてだろうねぇ…僕、ばかだからさぁ…
ゼンとかシュンやエリックみたいに難しいことは
わかんないけど……う〜ん、シュンが笑顔なら
それでいいかな、って」
シュンは今、すごく悲しんでるから…
単純に早く笑顔になってほしいんだぁ
シュンの悲しいこと全部はわからないし、
痛みもわかってあげられない…
そんな僕に出来ることって…シュンを
信じることだと思う
どんな事があっても、シュンを信じてること
そうすれば…シュンに今以上に
悲しい事があっても、寄り添ってあげられる
解決することはできないかもしれないけど
…一緒にいることはできる
これが……僕の[答え]
…大好きな、大好きな君にできる、唯一の事
悔しいけど…エリックは、シュンの悲しみを
わかってあげられるし、シュンもエリックに
なら全力でぶつける
だから最終的には…2人がなんとかするしかないよぉ
「……あり、がとう………」
小さく呟かれた君の言葉
少しだけ、氷が溶けたみたいな気がした
少しずつでいい
すぐになんて、わからないんだから
…でも、でもね
「もう一つだけ…」
僕の話を…聞いて欲しいなぁ
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