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告白
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友達
信じる
簡単に言っちゃいけないことで、
俺が一番嫌いな言葉達
だけど……ルイの「信じてる」は、
ストンと素直に入ってきた
友達…なんだ、
信じて、くれてるんだ
疑惑や困惑が全くないわけじゃないけれど…
なんか…コイツの肩を借りても今はいいかな、って
肩を通して感じる体温が温かい…目を瞑ると
フワッとバラの香りがする。ルイから、
いつもする…優しいバラの香り
「もう一つだけ…」
そう呟いたルイは、今度は俺から離れ、
床に片膝をついて、俺を見上げた
その行動に驚いたけれど、
その後の言葉にもっと驚かされた
「……僕じゃ、ダメ?」
「え……?」
…いつもポヤポヤしていて、緩く、
フワフワとした実態のない
タンポポの綿毛のような存在のルイ
けれど今は、しっかりと俺を真っ直ぐに
見上げるその真剣な表情に息を飲んだ
「こんなこと、今言うなんてずるいって
わかってるよぉ……けど僕なら、
シュンを悲しませない…」
どういう…こと
そう思いつつも、いつもと違うルイの空気に、
なんとなく察しがついていた
「……シュンが、好き」
やっぱり……、な。
はっきりと、告げられる
告白
何か、言わなきゃいけないとわかっては
いるのに俺は声が出なかった
「友達としても大好きだよ…でも、
それ以上に君が好き。」
「ル、イ…」
スッと、ルイの手が俺の頰に伸ばされる
それは…アイツとは違う少し冷たい手のひらだった
「1番最初に中庭で会った時に…大勢の
生徒の中で1人だけ違う色の制服を着て
凛とした佇まいだったシュンに一目惚れした……」
「半年間、も…?」
コクリと頷くルイ
冗談なんかじゃない雰囲気に
頭が追いつかなかった
「シュン………」
ゆっくりと縮められるルイとの距離
あ…キスされる………
そう認識できた頃にはお互いの
距離は鼻がくっつくほどだった
いや…ダメだろ……!
「っ…ルイッ!!」
パチンとルイの唇に掌を被せる
驚き、目を見開くルイ俺の口は勝手に動いていた
「俺…!お前の、ことは好きだけど…
キスは、できない!」
自分でも、何言ってんだって、思った
ルイも思ったはずだ。
その証拠にキョトンとし、目をパチクリさせていた
でも、必死すぎて
そんな低レベルなことしか出てこない
「キスは…あいつとしか、でき…ない、
恋愛対象で見れるのも…あいつだけなんだ……
…ごめん、ルイ…」
…友達じゃ、なくなるかもしれない
気まずくなるかもしれない
そんなことに、何故か怯えてる自分がいる
けれどルイは…違った
小さくクスクスと笑ったかと思ったら、
口を教えて大笑いしていた
「あははっ!もぉ…本当…シュンって可愛いねぇ」
「はぁ!?な、なんでだよ!」
さっき自分が言ったことが
とんでもないことを言っていた気がする
時差があって顔が赤くなっていくのを感じた
ルイは暗くなるどころか、急に明るくなり
「もぉ〜!ホントッ」
「う、わっ」
俺に飛びついて、ベッドにダイブした
そのまま俺の横に転がり、手を繋いできた
「本当…エリックが羨ましい……」
何かボソリと粒やくのが聞こえたけれど、
上手く聞き取れなかった
「え?なに?」
「んーん、なんでもない!ねぇ、シュン…僕達
友達に…うぅん、親友になりたい。」
「ルイ…」
さっきまでの空気をガラッと変えるように、
ルイはクスクスとずっと笑顔だった
「…エリックの次でいいから、何かあったら
頼って欲しいなぁ…どんなことでもいい。
シュンを思う人がエリック以外にもいることを……」
『どうか、忘れないでお姫様』
握った手のひらにキスをしたルイ
そのキザな仕草に、アイツを思い出してしまう
やっぱり、従兄弟同士なんだ、って…
親友に…なれるかな
コツンとルイの額が俺の額にあたり、ルイはこう囁く
「……俺は、何があってもシュンの味方だよ」
……親友に、なりたいな。
ルイと…表面じゃなくて、ちゃんと心からの
親友になりたい
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