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決める。
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……気づいたら、学園に戻るタクシーの中だった。
そこでもぼう、っと窓の外を眺めていたら
いつのまにか学園に着く
タクシーを降り、学園の前の大きな門の前で、
ゼンとルイが立ち止まり、俺を振り返った
「……シュン…どうするぅ……?
僕達は……シュンの意思に任せるよぉ」
それは…明日の大会を棄権する考えも、
あるということだ。
「出発は、明日の午前だし一度寮に帰って
休んでから決めてもいーよ?
……今日は、色々あったしな」
「…悪い、考えさせて……」
ゼンと別れルイと寮に戻る
部屋の前でルイと別れる
部屋に、入る
カーテンが開いていた
空気が澄んでいて月が…見えた。
────後悔をしたことがある?
昔、雑誌か何かのインタビューで
聞かれたごくありふれた質問
それに俺はこう答えた
───俺は…後悔なんてしたことがない。
そんな道を、選ばないから
────なるほど、では菅原春クンが後悔する日
…というのも来ないわけですね?
その質問には、なんて答えたっけ
いや、そんなの、どうでもいい
だって今が……人生で一番後悔しているこら
できることなら
5時間前に戻りたい
そうすれば……
もっと素直になって
お前に謝って
抱き締めて
アイツの手を離さずに帰ったら
こんな事には……ならなかったのに
女の子に怪我が無くてよかった?
リーが近くにいてくれてよかった?
綺麗な手には傷が無くてよかった?
命が助かっただけでもよかった?
よかった?
よかった……?
「よかったことなんて、1つもない!!」
バンッッッ!!!
窓際のテーブルを思いっきり叩く
手の平が燃えるように痛い
テーブルクロスを握りしめ、力なく膝をつく
木のフローリングに、ポタポタと雫が落ちる
蛇口が壊れた水道のように涙が止まらなかった
「……ふっ………うっ、くぅ……!」
初めてわかった
大切な人がいなくなってしまうかも
しれない恐怖を、悲しみを。
今頃後悔しても、もう、遅い
ふと顔を上げた
腹が立つくらい綺麗な満月
「お前が今輝いてるのは…昼間に
太陽が一番輝いていたからなんだろうな」
やるべきことは、わかってる
手の平で乱暴に目をこすった
やらなきゃ
俺が、まだ、ココ…フランスにいるために
描き続けた夢を
叶えるために
エリックへと、繋ぐために
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