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イタリア代表チーム
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そこには、赤毛のくせっ毛のような
髪に太陽に焼けたような少し色黒の
人物が立っていた。
誰だ…こいつ。
第一にそう、思った。
「オレ達がチームスガワラだけど、何か用かな?」
スッと俺とルイの前に自然に立ち、
いつもの営業スマイルを浮かべるゼン
そいつはゼンの言葉を聞くと、
ほっとしたような顔をしてニコリと笑った
「あぁ!よかった!まちごてたらどない
しょうかと思った。あんたらのチームの物やと
思うけど、フランスチームの荷物が俺らの
机の下に置いてあったんよ」
「え!?」
その言葉に、3人で驚きの声を上げる
そいつはそんな俺らを見て、首を傾げながら
「なになに?どないしてん?今荷物なら
俺の弟が持ってくると思うんやけど…あ!
来よった!こっちこっち!」
そいつが俺達の後ろに向かって大きく手を振る
俺達もつられて振り返ると、そこには目の前の
男と同じくせっ毛で前髪を上げている奴が
箱を抱えて立っていた。
「もうお兄ちゃん!先に行かんとってな!」
くせっ毛の弟のようだった。
目の前のくせっ毛はパチンと顔の前で
手を合わせると、笑顔のまま悪びれる
様子もなく謝罪した
「ごめん!許したって?そないなことより、
この箱、やっぱりこの人達のやったよ!」
「ほんま?無事見つかって良かったね!」
「うんうん!あ、自己紹介がまだやったよね?
俺の名前はニコレッタ=サンティーニ。
ニコって、呼んだってな。
こっちは双子の弟のドナテーニ、ドニーやね。
俺らイタリア代表チームやねん。よろしゅうな」
ニカッと元気が良く、くせっ毛のニコ。
ニコリと人当たりの良さそうな
微笑みを浮かべる弟のドニー
「えーと、あんたらは?」
「僕はルイ=エティエンヌ、
こっちはゼン=ファンと、シュン=スガワラ」
俺の名前が出た瞬間、顔を見合わせる姉妹
「あぁ、あんたのことは知ってんで、有名やしね。」
天才ショコラティエやろ?
そう言いながらピッ、とニコに人差し指を刺される。
「それにしても噂以上、めっさべっぴんね、
ほんまに男?そこらへんの女の子より
べっぴんやんな。俺、あんたなら余裕でいけるわ」
からかってるのか素で言ってるのか
わからないけれど、まったくいい気しなかった
欲を言えば隣でニヤついているゼンを
今すぐ足蹴りしたい。
「お姉ちゃん、失礼やで!からかわんといて!
……堪忍な、この人、人類全員友達って
思っとるところがあって…誰にでもこうやねん。
気にせんといてな?」
申し訳なさそうに頭を下げるドニーに、
これ以上怒る気にもなれなかった。
スッと箱をドニーから取るゼン
「うわ、…おっもいね…!?
君一人で運んだの?すごいね?」
キョトンとした表情のドニー
すぐに、ハッとしたように笑顔を見せた
「そうなんよ、僕昔から馬鹿力で…力だけが
取り柄やねん!それより、中身は大丈夫?
勝手に開けてはいけへんと思ってそのまま
持ってきたんやけど……」
朗らかに笑いながら言う彼に皮肉が通じず
呆気に取られるゼン。そんな少し方針状態の
ゼンは珍しいと思いながらも
急いで箱を開けることにした。
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