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待つ、
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あの後、出場するチーム代表2名だけに
説明が開かれるから、シュンは
イタリア代表の2人に腕を引かれて
連れてかれたんだぁ
その背中を見守ってた僕とゼン
……今日のシュンがちょっと、ううん。
かなり元気がないのを知っていた。
エリックが…いないからだよね。
無理もないよねぇ…むしろ今平常心を
保っているシュンちゃんはすごいって
ゼンは言ってた……。
材料がなくなったのも、シュンのコックコートが
ボロボロになってたのも
許せないし、悲しい
でも、今1番ツライのはシュンだから、
エリックがいない分、支えられるのはゼンと
僕だけだから…しっかりしなくちゃだよねぇ
「…あ、お帰りシュンちゃん」
………シュンは帰ってくると、
すごく難しい顔をしていたんだぁ。
ゼンが理由を聞くと、今回のテーマは
【信仰心】だけど、
細かな条件に『パイ生地を使うこと』
それが少し、引っかかるらしい
そうだった…シュンが唯一得意ではないもの。
パイ生地
僕達よりは断然飛び出ているけれど
本人は全然納得いかないらしい
ってエリックがこの前言ってたぁ…
みるみる顔が曇っていくシュン
ゼンはそんなシュンを見兼ねて、声をかけた。
「シュンちゃんまだ、時間あるし…
少し歩いて来たら?オレ達、待ってるヨ?」
シュンは、基本1人で集中するタイプであることを
考慮したゼンの言葉だった
シュンも頷きながら、
「そうする…」
そう言って、外へのゲートに向かって歩いて行った。
迷子に、ならないかな…
急いで追いかけようとした時に、ゼンに腕を掴まれた
驚いてゼンを見ると、ゼンは首を横に振った
「待とうよ、…シュンちゃんが帰ってくるのをさ、」
それは、どういう意味だろう
今、出ていったシュンをここで座って待つ意味なのか
初めて会った頃のように、
自身に満ち溢れ、輝いていたシュンを待つのか
どっち、なんだろう?
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