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遅すぎた
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会場の外に出た俺。
少し歩く
止まる
歩く
止まる……
「…わかんねえ」
グッ、と拳を作る
わからない、もうわからなくなっていた。
なんで材料があんなことに?
一体何が?誰が?
どうして?
なんでテーマにパイ生地?
何故……
何が起こってる?
昨日からたくさんのことがありすぎて、
とうの昔に頭はぐちゃぐちゃになっていた。
整理しようとしても、できない
こんなこと、今までなかった
そんな俺に、考えてはいけないことが頭をよぎる
もしかしたら…作れないかもしれない
もしかしたら…できないかもしれない
もしかしたら…勝てないかもしれない
もしかしたら………
もう、お前の横で笑えないのかもしれない。
今、1番隣にいてほしい人
笑って大丈夫だよと言ってほしい人
話を聞いて、抱き締めてくれる人
そうか、
そうだ。
ようやく、気がついた
心の、隙間の原因
「……お前が、隣にいないと、ダメなんだ」
そう言葉にした瞬間、涙が出そうになった
気づくのが、遅すぎた……
どんなにお前を思っても
もう、遅いって
わかってるのに…………
例え、エリックの意識が戻ったとしても
きっともう、許してはくれない。
前のようには、戻れない。
その事実が、胸を突き刺す
どこかで、ミントの本当は爽やかなはずなのに
ムカムカする香りがした。
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