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listen…
-
…どれくらい、外でぼうっとしていたんだろう
俺はルイからの電話で、ようやく動いた。
あと30分で始めるらしい。
ルイには、わかったと
短く返事をして、電話を切った。
……あ、れ…
着信履歴で、止まる
そこには、不在着信が一件
留守番電話が、入っていた
───Eric
「嘘だろ…?」
時間帯を見ると…事故が起きる前だ
気づかなかった
なんで、なんで……
そう思いながら俺は、
急いで留守番メッセージを再生した。
耳から聞こえた声は、
今一番欲しかったものだった。
「…シュン?
……本当…本当にごめんね。
許されなくていい。でも、謝らせてほしい。
あの後兄さんから、君の話を聞いたんだ。
それで全部繋がった。君がどんな過去を
送ってきたのかも、今、ようやくわかった。
ねぇ、シュン…俺は、この2ヶ月
死ぬほどつらかった。君のことを
知ろうとすればするほど、君との距離が
離れていく感じがしたからね。
当たり前だよね。
俺はその理由も知りもしないで、
君のことを知ろうとしたんだから。
本当に、愚かだったと思う。
シュンのことを好きだからなんでも知りたかった。
それが、間違っていたのかも。
あのね、シュン…俺は、君に対してどこか
一歩踏み出せないでいた。
…昔からそうなんだ。
…誰にでも優しくして笑顔でいれば
嫌われることはない。
臆病だと、思うでしょう?
きっと…どんな時でも自分の道を真っ直ぐに
生きてきたシュンはこんな俺を鼻で笑うかも。
君に嫌われたくなくて、無意識に線を
引いていたんだ。けどね
それも、もう、やめる。
大切だから言えないことがあって、
大切だからこそ言いたいことがあるから
…距離を間違っても、構わない。
君にうざがられても、俺はシュンのすべてを
知りたい。だって…君が大好きだから。
シュンが、兄さんに会ってたことも、
アメリカに引き抜こうとされているとこも
正直ショックだった。
その内容にじゃないよ。
シュンに、話してもらえなかったことにだった。
シュンはいつか「変わっちゃいけないんだ」
って言ってたでしょ?
…あれね、俺はそうは思わない。
人は変わらなきゃ、いけないんだ。
自分でも知らないうちに、変わっている。
それを…怖がらないで。
兄さんによるとシュンは昔の自分を知られるのが
本当に嫌だったみたいだね。
どうして?
昔の自分は嫌い?
友達を裏切ったから?
そんなの、俺からしたらどうでもいい。
だって、シュンがどんな過去を送って、
どんな事をしてきて俺が好きになったのは、
『今』のシュンなんだから。
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