アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
帰還
-
「ねぇ、ゼン…シュン大丈夫かなぁ」
観客席から見守る坊ちゃんと俺。
他のチームが、着々と作ら始める中、
シュンちゃんは何故か、テーブルの端に手をつき、
材料を凝視していた
何を考えているのか、まったくわからなかった。
他のテーブルの代表を見て、
1人であの場所にいることに、怯えてる?
…まさか、そんなこと
いや、でも、
エリックがいれば……
そう思ってしまう自分がいる。
シュンちゃんには、アイツが必要なんだ
より、痛感させられるよネ。
…頼む、シュンちゃん。あいつのためにも……
ギュッと、握る手に汗がにじむ。
すると、坊ちゃんが
「あ!ねぇ見て〜!シュンが…!」
その視線を目で追うと急に顔を
あげたシュンちゃんがいた。
ようやく、動き出したシュンちゃん
その目つきは、変わっていた
美しく、誰も寄せ付けない、
黒い吸い込まれそうな瞳
「……帰ってきた」
そう言った瞬間、一瞬シュンちゃんと
目があった気がした。
シュンちゃんは…息を呑むくらい綺麗に、
けれど、今まで見たことがないくらい
純粋な目をしていた。
まるで…なにかを見つけた、無垢で何も知らない
子供のような。
それは
天才ショコラティエが
帰ってきた瞬間だった
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
189 / 232